斎藤喜博と林竹二

カッコウ

 6月・・・・夜明けが早く、カッコウの声が聞こえてくる季節。ライラックも開花しました。f:id:kyokoippoppo:20180604125628j:plain:w100:left
こちらで暮らして間もない頃はカッコウの鳴き声に感激し、新しい土地で暮らすのだなあという思いを新たにしたものです。
夏至のころの夜明けの早さにも驚きました。3時半には東の窓から強い日差しが注ぎ始めるのですから。
爽やかな季節の到来です。

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 さて、今回は斎藤喜博氏と林竹二氏のおおざっぱな年譜と社会の様子を並べてみようと思います。上手くまとめられるかなあ。


1906年・・・・林竹二生まれる

1911年・・・・斎藤喜博生まれる。

★お二人とも関東のご出身です。
大戦の6年間をそれぞれ‘’働き盛り‘’という年齢で越えていらっしゃいますが、服役したという記述は見当たりませんでした。

1934年・・・・林竹二 旧制東北帝国大学哲学科で
    ギリシア哲学、プラトンを学ぶ。

戦後
1945年以降・・・東北大学で教育史を担当。
       森有礼を研究。
       ソクラテスの問答を下じきにした
       人間形成論を構想した。

Wikipediaの情報を元にしました。・・・・人間形成論って?と思いつつの引用です。
ソクラテスについては後に行う授業の題材になり、その問答法は、実際の児童生徒とのやり取りに活用されます。


1952年・・・・斎藤喜博 島小学校の校長に。
     11年という長きにわたりここに勤め
     毎年授業を公開してきた。

1963年・・・・島小を去り、近隣にある別の小学校で
     校長を勤める。


この年(1963年)経済審議会より、「経済発展における人的能力政策の課題と対策」か出されました。
教育が、経済の発展を担い始める転換点になった答申だといわれております。
国際的な競争力に負けぬよう独創的な科学技術の発展を目指し、日本経済を発展させるためのエリートを育てようとしたのです。

★調べてみますと、「ハイタレント・マンパワー」という言葉がみられます。上位3%ほどをそういう人材に育てようというのです。残り97%は黙々と働く労働者であれば良いということでしょう。
それにしても、「ハイタレント」という言葉、今話題になっている高プロ」を連想させますね。

疾走する10年

 日本はこうして高度経済成長の波に乗ります。
『子どもたちやがて悲しき50年』では60年半ばあたりからの10年間を「疾走する10年」と名付けています。

フォト・ルポルタージュ 子ども やがて悲しき50年

フォト・ルポルタージュ 子ども やがて悲しき50年

 子どもたちの生活、姿、表情も変貌し始めます。
主婦はサラリーマンを支え、子どもの教育に熱を注ぎ込む存在として定着し始めます。
そんな1960年代は、私が小学生になった時期と重なります。「教育ママゴン」という言葉が流行ったことも記憶にあります。

1996年・・・いざなき景気が到来。
     三里塚空港建設計画が浮上、
寝耳に水の農民たちの抵抗運動が始まった。

この時代は確かに「疾走する10年」ではありましたが、先の10年に引き続き「衝突する」ものという印象も強いのです。三里塚での抵抗もそうだし、大学では学生たちの、国が要請する人的資源を効率よく提供するありかたに対する抵抗が始まります。
 さらに学費値上げや学生会館管理運営に対する反対運動、また日大では多額の使徒不明金に対する学生の怒りが闘争となって吹き出してゆました。
 
 国外ではベトナム戦争が激化しておりそこに加担するアメリカと追従する日本の姿勢にも反対の声があがります。
 これは後に70年安保闘争の流れとなってゆきますが、熱病のような学生運動と相まって、60年安保闘争とは違った様相を見せるのです。

★体制を揺るがそうとする若者たちの動きはテレビや新聞を通して10才の頃の私に届いていました。
 デモの波、口にタオル、頭にヘルメットの学生たち。投石の現場、掲げられるプラカード、闘争という文字・・・・それらがテレビの画面でうごめいてい ました。もちろん白黒画面です。
 不可解で、遠くて、騒々しくて・・・・・白黒

1969年・・・・斎藤喜博 59才で定年。
 同年・・・・林竹二 宮城教育大学学長に。
 (宮城教育大学東北大学から教育学部と教職課程が分離独立したことによりに生まれました。林氏はこれに最後まで反対抵抗したと語られています。反対の理由は分かりませんが、この流れを留めることはできず、林氏は同大学の第2代学長に就任しました。)


気温が上がり、エゾハルゼミがいっせいに羽化したようで、シャンシャンシャンシャンと鳴き声が聞こえてきます。