嫌な場所 怖い場所

 戦後の子どもや教育に関する事がらをポチポチと書きすすめております。
参考にしている一冊・・・
 『子どもやがて悲しき50年』(村上義雄編・太郎次郎社)のページを進めましょう。

あるティーンの姿

 前回のブログで紹介した企業戦士たちの写真に続くのは、‘’熱中するティーン‘’たちの姿です。
kyokoippoppo.hatenablog.com
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1980年当時の愛知県東郷高校のものです。
下記はこのページに添えられた編者の文章です。








 1980年夏、信州・伊那の宝剣山で。この高校では夏の林間学校を元服式と位置づけ、新入生が東郷カラーになじむための総仕上げの行事としている。林間学校の最後の夜、教師も生徒も一体となって、熱気に包まれて更けていく。

続くは‘’修行するティーン‘’たち。

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こちらは三重県日生学園のもの。私立の学校です。年代が記述されておりませんが、1970~80年代のものかと思われます。
以下が、このページに添えられた文章です。






全寮制。4時30分・起床。5時から日生道場(体育館)で全員晨行がある。かけ声をかけ床をみがく。
6時20分・朝食。朝食のあと、「建学の歌」を全員で斉唱する。7時50分・登校。15時10分まで授業。寮に帰ったあとの清掃も‘’行‘’である。18時から夕食のあと、20時30分まで自習。消灯は21時である。

通いたいですか?

 編者の村上義雄氏はこの二校のあり方について良いとも悪いとも言及していません。
先入感や周辺の情報をカットして写真と添えられた文章だけに触れたとき、どのような印象を受けるでしょうか?
良し悪しを論じることはひとまず置いておいて
好きか嫌いか?と自分に問うてみるのです。
こういう学校に通ってみたいか?と。
また、お子さんがいたとして我が子を通わせたいか?と。
私はノーなのです。
こういうところはご免なのです。何故私はそう感じるのか?
このことは、もう少し丁寧に探ってゆきたいところです。改めて書けたらよいなと思っております。

管理教育

管理教育」と検索し、Wikipediaをスクロールしていくと、他府県、他地域の事例とともに、東郷高校の名称も見つけることができます。それは「管理教育の地域性」という見出しの中で記述されています。

「マル東訓練」(時間割表に「◯に東」の記号で表されていた為この名がある)という軍事教練紛いの集団訓練が行われ、スパルタ式の代表校と批判を浴びることがある(1982年には訓練の強制を苦にして生徒が自殺している)。

  この二校ですが、このような際立った教育の形は、さすがに今は残っていないようです。
しかし、世間を騒がせた森友学園はつい最近の話です。これは政治ネタにもなりましたが、幼稚園におけるその極端な教育方法は大いに人々を驚かせたものです。
あのような思想を持つ大人がいることに驚ませんでしたが、
あのような教育方針を知った上で、あえて我が子を通わせる親がいることには、驚きを感じた私です。
幼い子どもが、教育勅語を空んじ、’’アベシュソウ’’を讃えるメッセージを発する姿に嫌なものを感じないといことが、驚きだったのです。
 今の時代に、森友の教育が出現したことを考えても、紹介した当時の東郷高校や日生学園の教育の姿が過去のものであるとは言い切れないと思うのです。
・・・・と書きつつ、では?今の普通の学校はどういう姿なのか?とも考えます。
 こうあってほしいという子ども像があり、目標というものが必ずある学校。
先の二校と対極にあるわけではなく、形は相似形と言って良いのではないでしょうか?
許容されるか否か?の線引きは、極端か否か?なのでしょうか?それだけなのでしょうか?
このあたりを考え始めると私は迷い混乱します。これも先送りの課題になりそうです。



 当時の東郷高校に在学した人の手記、さらに日生学園について記事をまとめた方の発信を見つけたので、それらを貼っておきます。
d.hatena.ne.jp
ぜひとも目を通していただきたい。驚愕的な内容でした。

matome.naver.jp


 二つの記事を読んで「嫌な場所」「怖い場所」という印象を受けました。

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追記
 

 東郷高校についての手記は、太郎次郎社(現太郎次郎エディタス)「ひと」誌に掲載されたものです。
この出版社は私にとっては縁を感じる会社です。フォト・ルポルタージュ『子どもやがて悲しき50年』の出版社であり、教育実習でお世話になった千葉保先生の著書もこの出版社から出ています。
www.tarojiro.co.jp