泉谷閑示のメッセージ・・・うつ治療における休養とは?

 しっかり休むとは?

 うつに関する情報を検索していて目に留まったのが泉谷閑示氏のメッセージでした。
今回は、その中から休養に関するものをご紹介したいと思います。

 その前に「うつ」とはどのような状態であり、とのような症状が出るのか?も押さえておきたいところです。
プチうつとか、仮面うつとか、抑鬱状態とか、適応障害とか、「うつ」に関連するような様々なワードがあり、それをしっかりと把握するのは難しいのではないでしょうか?
そのことも、説明されており「うつ」の線引きが難しいこと、近年「うつ」の適応範囲が広がったわけなどがわかりました。
そのことから、「うつ」と診断されても人により出る症状が様々であることも理解することがてきました。
 説明が難しいのでここでは省きます。興味のある方はこちらをご覧になって下さい。
diamond.jp

 出る症状が様々とはいえ、治療の柱は投薬と、休養というのが基本のようです。(投薬が有効ではない事例もあるようですが・・)

泉谷氏は、うつになり休職を余儀なくされたある男性を例にあげ、治療に必要な休養について述べております。
その男性は、仕事をしばらく休むうちに、状態が良くなっていることを自覚し、そろそろ復職(試し出社)したい旨を伝えます。
しかし、主治医は
「まだ、まだ焦りがあるようなので、時期尚早」と判断するのです。
しかし、男性自身は焦っている自覚はありません。
自分の主観を医師が信じてくれないことに落胆するのです。
このように、ドクターストップの解除時期を巡っては医師と患者の意思が食い違うことが多いようです。
泉谷氏はこれに起因する、患者の医師に対する不信を防ぐためにも丁寧で適切な説明が大切であることを説いています。
diamond.jp(こちらも、しっかり知りたい方のために貼りました。)

身体は心を裏切らない

 身体が心を裏切らないのならば、「もうそろそろ社会(職場)復帰したい」というに、身体は添うはずです。
しかし、実態はそうはならず、職場復帰後の再発の事例は少なくありません。
何故?
泉谷氏によるとこの場合の「~~したい。」
は頭由来のものであって、心の声のように偽装した頭の声だとのこと。
同じ事例とは言い切れないのかもしれませんが、似たような夏樹静子氏の体験記『椅子がこわい』は先日ブログで話題にしました。
夏樹氏の自覚において‘’思うこと(顕在意識)‘’と、意識できない‘’真の心(潜在意識)‘’がかけ離れたことによって腰痛が引き起こされ、それは辛い体験をなさったのです。
kyokoippoppo.hatenablog.com
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泉谷氏は次のように説いています。

極論めいて響くかも知れませんが、事情さえ許せば、人間というものは義務を伴う仕事を決して自発的に「したい」とは思わない生き物であるはずです。しかし近代化された社会に生きている私たちは、仕事は初めから当然「すべき」ものだと教化され、「したい」とさえ思い込むまでに「社会化」されてきています。しかし、この「社会化」とは、もっぱれ私たちの「頭」に対してなされたものであって、自然の摂理を失わない「心」や「身体」は決してそれに染まってはいません。

「頭」の余計な口出しをシャットアウトし、「本当は仕事なんていきたくない」という正直な気持ちに身を委ねてしまうことが、理想的で、うつの治療にも有効な休息状態だというわけです。
この期間を経てこそ、人は次の段階に進んでゆくのです。
ああ物足りない…社会とつながりたいという心の底からの欲求が湧いてくるそうなのです。
頭のコントロールによる社会への帰属義務ではなく、
人に本来備わっている「社会的動物」としての心の声です。
この声に従っての社会復帰であれば、もう「心」はすんなりとその声に従い、不調和は起きないのです。

 これを読み、私は「ははあ、こんなこと我が息子にもあったな。」
と思い出しました。
うつに苦しみながらも、職場を任期満了まで働き、その後自宅療養となりました。
(パートナさんと暮らす部屋で。)
戻るべき職場はないものの、何らかの活動を始めたく医師に相談すると、必ず
「今は休んで下さい」
と言われたそうです。
「休んでいますよ。」
と答えると
「いえ、休んでいません。休めていません。」
と断定的に返されたというのです。
一日何もしないで休んでいるのに・・
これ以上何をすれば?いや何をしないでいれば?
とやや憤慨気味に私にこぼしておりましたっけ。
(それでもこの先生の意見に従い薬を飲み、焦りを道連れにしながらも身体を休めるような生活を続け、今はようやく回復途上です。)

「就職はしないように」

 以前ブログで話題にした『しんさいニート』。
ここにも関連する場面があります。
うつ状態の改善を見ないまま、働きだして早々に脱落した「カトーコーキ」氏にカウンセラーがかけた言葉です。
カウンセラー芥川氏は言います。
「今は、安易に就職しないでください安易に就職すればまた元の状態に戻ってしまいます。」

しかし・・・・・

 休んでいる状況を安心して受け止められない限り、本当に休息したことにはならない。
それはわかった。
理屈としてそうだろうとわかります。心身ともに休むとはそういう状態を指すことは理解可能です。
しかし、お金や、養う家族や、先々の自分という心配をどうやって取り除き、安らかな休養を手にいれるのか?
カトーコーキ氏もそこに苦しみました。お金です。お金!

kyokoippoppo.hatenablog.com


そう我が家も・・・・。