トンネルくぐって

 みた夢がきっかけなのです。
ブログに書くほどのものでもない話題です・・・と、前置きしておきます。
でも、「何でここに来たのかなあ?」と素朴に思ったわけです。

こどもの国

 『こどもの国』という名前の施設は各地にあるのでしょうが私が夢で訪ねたのは、横浜にある『子こどもの国』です。
ここは多摩丘陵の自然を生かした広大な遊び場で、現天皇皇后(当時皇太子)の御成婚を記念して1959年より整備が進められ、1965年の「子どもの日」に落成したものです。
私が子どもの頃、時々遊びに行きました。
横浜に住んでいたからです。
中3の夏休み友達とそこへ行き、日長一日ドラム缶いかだに乗って遊んだ記憶があります。
(はて?これも夢だったか?)

 その後我が家は東京の町田市の新興住宅地に越しました。
神奈川県との県境に近いところで、開発前はうっそうとした雑木林だったとのこと。
まっすぐに整然と走る道路、これまた縦横きっちりと区切られた土地に並ぶ真新しい家々。
暮らしの風景が一変しました。f:id:kyokoippoppo:20190119173945j:plain:w320:right
しかし、この住宅街の外(東側)に踏み出すと横浜の縁にあたる土地となり、そこにはくねくねと曲がる道があり、庭を持つ農家あり、秋空には柿の実が映えており、グズの葉が生い茂る空き地があるのでした。
それは、私の幼少期共にあったものであり、私たちが後にしてきたものであり、ため息が出るほど馴染み深いものなのでした。
(イメージにあった画像を貼りました。横浜のものではありません)

 新興住宅地とその東側の世界の境界は私たち家族の時代を区切る境界でもありました。
厳しいローンを組んで引っ越したものですから、母親はさっそくパートに通いました。
勤務先のパン屋さんから今まで食べたことのなようなオシャレなパンを持ち帰ってきました。
カラフルな「ミックスベジタブル」が乗ったパンや、バターの風味豊かなペストリー。
新居は憧れだった二階建てで、ベランダもある・・・。
でもそこからすぐ東には『境界』がありました。

 境界の先にある田舎道は、『こどもの国』に通じており、徒歩でたどり着くことが可能でした。
よそよそしい新興住宅地が、子ども時代の懐かしい場所へとショートカットでつながることに驚きもし、喜びもしたのです。

我が子を連れて

 私はこの土地から北海道へと嫁いできましたが、子どもが生まれてからの里帰りには当然ここを訪れました。
我が子を連れ、母親となった私が公園入り口から右手にあるトンネルを歩けば、その昔
胸ときめかせてその先にあるワンダーランドへ思いを馳せた気持ちがそのまま蘇るのでした。f:id:kyokoippoppo:20190119180624p:plain:w500
(入り口右側にトンネルあるでしょ)

夢でみた『こどもの国』

  今朝の夢の中でも、私はこのトンネルの方へ歩みを進めようとするのですが、夫は反対側にも見るところはあると言いそちらへ歩を進めました。
(実際には無い)水族館があり、動物がいて、私達は赤ちゃんを連れていました。
自分たちの子どもであったか?孫であったか?
その先にレストランがあるのですが閉鎖され、ガラス越しのそこは誰もいない暗い場所でした。
昔あったはずの施設がところどころ無くなっており、時が経てその場所が変わってしまったことを感じました。
それが今朝みた夢だったのです。

 目が覚めて「どうして夢の中でそこに行ったのかな?」
と思いました。
そして懐かしい気持ちが湧き上がってきました。
ここは懐かしい場所であると共にとても良い場所なのです。
夢では淋しい場所になっていたけれど、そこは今も変わらず魅力的な場所であるはずです。

 両親はその後、千葉に越してしまい『こどもの国』はついでに行ける場所ではなくなり、その後訪ねておりません。
子連れの里帰りの際には、「ディズニーランド」や弟夫婦の家から程近い「よみうりランド」などにも行きましたが、私の一押しはやはり『こどもの国』だなあ。
今や両親もいなくなり、故郷はますます”想う”ばかりの存在です。

昭和、平成そして・・・

『子どもの国』の前身は旧日本軍の弾薬製造貯蔵施設でした。
theyokohamastandard.jp

敗戦とともに一旦は米軍に接収されました。返還の後、当時の皇太子殿下(現天皇)と美智子さまのご成婚を記念して『こどもの国』は開園しました。
全国から寄せられたお祝いを「こどものために使って欲しい」というお二人の気持ちが『こどもの国』の誕生のきっかけになったそうです。
弾薬貯蔵庫の名残りは、33基のうち10ヶ基が残され、今は倉庫などに使われているそうです。
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仮面ライダーの撮影現場にもなりました。・・(ショッカーのアジトだったような)

www.kodomonokuni.org

セトセ温泉へ

f:id:kyokoippoppo:20190119200847j:plain:w170:right 夢で『こどもの国』を訪れたその日・・・
本日土曜日。
 実際に行ったのは「セトセ温泉」でした。
夢の中では赤ちゃん連れでしたが、温泉には先月伴侶を亡くし一人住まいとなった義母を誘い一緒に行きました。
美しい雪野原。
白樺や針葉樹の木立が続きます。
 でも、この土地には柿も椿もさざんかもないのです。
グズの葉も沈丁花も・・・・。
そんなことを思いながら、外の景色を眺めたのでした。


2019年4月14日の追記
次の年号も発表され、平成時代も幕を閉じつつある頃の記事です。