朝の来ない村

 遅くなった日の入り

 仕事帰り図書館に寄りました。
冬至の頃は、夕方4時は真っ暗でしたがこの頃はまだ明るく、日の入りが遅くなっていることを実感できます。
グラウンドでは、まだ子どもたちが雪中ドッヂボール大会に向けての練習に励んでおりました。

 さて、本日借りた本の一冊がこれ。
『極夜行』

極夜行

極夜行

「これって小説?」
「いえ、ノンフィクションですよ。」
司書さんとこんな会話を交わした末、本の内容も知らぬまま借りてきました。
  *  *  *  *
「明日はどうなんでしょうね?」
「スキーの予定なんだけど。」
「スキーは無理でしよ!警報レベルですよ。」
こんな会話も交わしました。
この冬は雪が少なく、骨の折れる除雪もまだしておりませんが、明日は相当の悪天候になる予報だそうです。
休校になるかもな・・・・
そんなことを思いながら帰宅。
夕飯後さっそく読み始めました。

北緯77度47分の世界

 北緯77度47分に位置するシオラパルクという村では、冬期間太陽が全く昇らなくなるのだそうです。
南中の太陽が、地平線の下にあるということ‼️
そしてその期間は11月頃より数か月間にも及ぶとのこと。
暗く寒い極限の地・・・著者である角幡唯介(カクハタ ユウスケ)氏は、このような場所の何に魅せられ、訪ねてみる気持ちになったのでしょう。
「冒険家というのはこのような場所に行ってみたくなるのさ。」
と言ってしまえば、それもありなのでしょう。
しかし、角幡氏はこの地で是非是非見たいものがあったのです。

本物の太陽

私たちは普段、太陽を見ているようで、実は見ていない。私たちが毎朝通勤するときに見ている太陽、あれは太陽の形をしたニセモノだ。物理的な火の玉としての太陽は昔から何も変わらない灼熱のエネルギーを地球におくり届けているのに、受け取り手である私たちの側がテクノロジーに頼りきり、自然から切り離され、知覚能力が著しく減退したせいで、そのあるがままの姿を見ることができなくなってしまったのである。

角幡氏はこのように述べています。

極夜の世界に行けば、真の闇を経験し、本物の太陽を見られるのではないか_。

彼は数ヶ月も夜明けが来ない‘’極夜‘’に強く惹かれ始めます。

太陽のない長い夜?いったいそこはどんな世界なのだろう。そんな暗闇で長期間旅をしたら気でも狂うのではないか。そして何より最大の謎、極夜の果てに昇る最初の太陽を見たとき、人は何を思うのか_。

ワクワク。
暗くて凍てつく世界が広がっているのであろうこの体験記を、私は今夜北海道の厳冬季に読み始めました。

とはいえ、寒さ厳しくとも確実に日が伸び、春がわずかずつながら近づいていることを感じるこの地・・・・
さらに私は、一日の仕事を終え、解放感にひたり布団に足を突っ込んでぬくぬくしながら読むのです。

静かな夜

サワリとも風の音がしない静かな夜です。
吹雪来るのかな?今日はこのへんでおやすみなさい。