不穏な羽音
この夏、暑さやら家の中での忙しさやらを言い訳に、あまり外仕事(庭の手入れ)をいたしませんでした。
それでも、たまに行った作業の合間に不穏な羽音を耳にしてはいたのです。
黄色と黒の縞を持った危なげなハチの姿も目にしておりました。
それをさほど気にすることもなく日が過ぎて、夏休みが終わりました。
季節は秋となり勤務再開。
それに伴い、土日は再び貴重な曜日となりました。
そんな先週土曜日のこと。
お庭に出たのです。
イボタノキの枝の数本が勢いよく伸びて樹形から飛び出していたものですからそれらをハサミでカットすることにしたのです。
(写真は花盛りのころのイボタノキ・・・「イボタの木」ではなく「イボタノキ」が正式名称のようですよ。)
伸びた枝をチョキリ!
お次もチョキリ!・・・・すると
ブオーーーン🐝
蜂の羽音がすぐそばで・・。
なに!
長靴ガボガボいわせて逃避。
やれやれどうも奴らがどこかに巣を作ったようだわ。
危険を感じつつも、せっかく始めた庭仕事を続けたかった私は、裏(お隣さんとの境界)へ場所を移し草取りを始めたのです。
イボタノキは近くにありましたが、枝を揺らさないように下草取り。
あっちにもこっちにもと、目につく草に手を伸ばしひっぱったり、やはり気になるイボタノキの枝を....
この辺りの枝なら大丈夫かな?慎重にチョキン!
などと、ついつい作業の手を広げたら
ブオーーーン🐝
うわあ!
いる!
近くに基地を作っていることは間違いありません。
刺激を感じるや、怒りの羽音をうならせて出動して来るのです。
怖い・・・・・。
作業をきっぱり諦め、怪しいイボタノキの中を下からよくよく見てみたら・・・・
ありました。
造成中の巣が見えたのです。
スズメ蜂のものてす。
知らぬとは怖いことですね。私は無防備にも、かなり接近して作業をしていたのでした。
家に入り夫に報告。
週明けに役場に連絡して駆除を頼もうということになりました。
住宅地にある庭ですし、通学路沿いの庭なのです。
我が家と境界を接するYさん宅には、早々にお知らせすることにしました。
危険な巣があるのは、Y宅物置に極近い場所なのです。
助っ人
その話を聞いたYさんご夫婦が巣を確かめに出ていらっしゃいました。
そこで、旦那さまであるSさんが、一言。
「俺がやってやろうか?」
「いやいやいや!危ないわ!刺されたら大変だ!」
そのように断ったのですが、何でも現在の仕事の関係で、処理をする道具一式がいつでも使えるのだというのです。
道具は役場にあるものの、必要とあらば使えるのだと。
実は我が夫も、役場職員時代蜂の巣の処理に関わったことがあり、やり方は心得ているようです。
しかし、道具がなければ手も足もでません。
Sさんは、技術の上に道具も持っており、その上親切心もたっぷりもっておられます。
結局お言葉に甘えることにしました。
Sさんは直ちに車を出すと役場に向かい、道具一式持ってきて完全装備となりました。
たまたま用事のあった娘と孫もやってきて、我々夫婦と、Sさんの奥様Tさんとで作業を見守りました。
「宇宙服みたいだ。」
と娘。
いざ出陣!
Sさんが、イボタの木に近寄り、かがみ込むとその中央部分にぶら下がっている巣をに目がけて薬剤噴射!
白い薬剤が木の上にまで吹き上がり、蜂が数匹飛び回りました。
ただちに巣は切り取られ、二重のビニール袋に入れられました。
アッという間でしたよ。
「戻り蜂」といってエサ探しのため外に行ってた蜂や生き残った蜂が、巣のあった周辺をしばらく飛び回ったりするらしいのです。
しばらくはそんな蜂に注意するよう教わりました。
このいきさつをブログ記事にする気満々だった私は、後から巣の様子を写真に撮ることにしようと、ひとまず我が家の外ゴミ箱に袋ごと放り込んで置きました。
そんなこんなで、無事ケガ人も出さず蜂の巣は除去できました。
ありがとうございました。
ご親切なSさん!!!!!
地面では・・・
同じ日。
地面では蟻たちが珍しい活動をしていました。
お分かりでしょうか??
蟻たちがサナギのようなもの(いや?タマゴでしょうか??)を口にくわえ、我が庭先からこれまたY宅の敷地にある穴へと、次々と移動していたのです。
引越しをしていたのでしょうか??
後で調べてみたところ、
蟻のこのような活動は引越しの時もあれば、「サムサイアリ」による卵の略奪ということもあるようです。
しかし、写真の蟻の姿や争う様子が見られないことから、これは単なるお引越しだと思われます。
それにしても、いったいどんなタイミングでどのような指令の元に、このような団体行動が生まれるのか??
蜂や蟻たちの社会的な活動はとても不思議で面白いですね!!
翌日
巣の除去直後は周辺を飛び回る蜂を見かけましたが、次の日には戻り蜂の姿も見えませんでした。
ビニル袋を見ても、生き残り這い出た蜂も見当たりませんでした。
ならば、巣を解体してみよう。
大丈夫と思っていてもちょっとビクビク。
外側の層は、まるでミルフィーユのようにサクサク。
庭用包丁で突くと儚く壊れました。
中には六角形のおなじみの蜂の巣が出てきました。
白いものは、幼虫がサナギになる際に自分で作るふたなのだそうです。
後から調べた情報です。
巣から出てきたものは、幼虫が数匹と成虫2匹。
芋虫状の虫が大嫌いな娘の願いを聞き入れて、幼虫写真は撮りませんでした。
女王蜂はどこにいるのかな?大型といわれる女王の姿は見つかりません。
他の蜂たちは???
木の下に落ちているのかしら???
私のこの作業を見守っていた娘が、いきなり声をあげました。
娘と孫のそばに生き残りの蜂がどこからともなく現れて、威嚇するように近づいてきたのです。
バタバタと逃げた二人。
ひゃあ!!!!!
巣の残骸や、死んだ蜂をあばいたことで、生き残りの蜂が何かを察知して近づいて来たのでしょうか?
突然無くなってしまった棲家を一生懸命探していた個体が、その名残を察知したのでしょうか?
急に怖くなって、再び巣をビニル袋に収めました。
家に戻ってから
戻り蜂について調べてみました。
蜂の巣を駆除&ハチを退治 4,400円〜 30分で到着|みんなのハチ駆除屋さん
こちらのページから一部コピーいたしました。
戻りバチの寿命はそう長くありません。
約1週間ほどは巣があった場所を飛び回りますが、拠点となる巣がないため数日で寿命を迎えます。
注意したいのは、巣を失って凶暴になるハチがいること。
ハチには帰巣本能があるため元の巣に戻ってきますが、巣が無くなっていた場合に怒って凶暴になることがあるんです…。
棲家を無くした蜂の寿命が、長くないことを知りました。
また、件の蜂は「コガタスズメバチ」であることも判明しました。
人間にとっては脅威であるスズメ蜂ですが、彼らに悪意などあろうはずはなく、本能のままに巣を作り幼虫育てに励んでいただけなのです。なのに・・・・
突然の受難!
突然の苦痛!
突然の無秩序状態!
「ごめんよ!」
しかし、共存はとても無理。
あらためて、ごめんよ!!
それにしても刺されなくて良かった。
ちょっと危なかったな!!