娘の誕生日

1月31日は娘の誕生日でした。
書くタイミングをちょいと逃したら、あらあら2月の幕開けとなりました。
振り返りの記事となります。

泡立て作業

 30日の日曜日・・つまり誕生日の前日に、娘は自らケーキを調達しようと動き始めました。
お正月に使う予定だったホイップクリームが、結局使われないまま我が家の冷蔵庫にしまわれていたことも背中を押す要因となりました。

が、しかしスポンジを焼くために是非とも必要な電動泡立て器が無い。
それは春から住まうことになる札幌のマンションに送ってしまっています。
手動で???
いや・・そこまで気合をいれる気力は無い。
娘本人も孫もやや体調不良なのでした。

スーパーで出来合いのスポンジケーキを買って、ホイップと苺で飾り付けをする・・そのような計画でいたのでした。

が、しかし・・・田舎のスーパーにそのような気の利いた代物は無かったのであります。
隣町へ行く気力もなく、ましてや「オミクロン」はもう、どこにどのように身を潜めているかわからない状況下でもありました。



そこで仕方なく購入したのが「モントン」というお手軽スポンジケーキの元でした。
f:id:kyokoippoppo:20220201065656j:plain:w300



卵白も卵黄も牛乳も粉もいっぺんに混ぜてしまえば良いというレシピに従って、形のひしゃげた我が家の泡立て器を振り回し始めた娘でした。
ああ、ちょいと手間をかけてでも、ここは別々に、卵白卵黄粉・・つまり本来のスポンジケーキの作り方の手順に従うべきでした。
いやそれも違うな!!・・・本来の手順に従うのならば、「モントン」でなくそもそも自宅の薄力粉で良かったわけだしな。


とにもかくにも、全て混入された状態の生地を、娘は手動で攪拌し始めていたわけで、それはやはり大変な作業だったのです。
「重い」
「手が・・・」
と音をあげ始めた娘に代わり私も・・・カシャカシャ。
「重い」
「手が・・・」

もったりと重い生地は、なかなか空気を含まず、腕を振るっても振るっても”角の立つ”状態にはなりませんでした。

それを見ていた夫が、何やらアイデアを思いついたようです。
作り始めたアイテムは・・・・

ジャジャジャーーーーーン!!!!


それは、電動ドライバーの本体にミニサイズの泡立て器をテープで固定した即席ハンドミキサーです。


おおおお!!!!

夫自らが試し運転に挑みました。
考案した機械の性能を誇りたい気持ちが大いに働いたことでしょう。
モントンの沼地に、フル回転でそれは差し込まれたのでありました。
f:id:kyokoippoppo:20220201070915j:plain:w400

あっ!!!
瞬時に起きたこと・・・それは四方八方に生地が飛ばされるという惨事!!!!でした。

うわあああああ!!!!

テーブルはもとより、それを飛び越えた椅子にも、さらに越えた床にも、そこに置かれたソファの背にも・・

大笑い!!
もう笑うっきゃありません。


少々くたびれていた台ふきんを雑巾に格下げし、慌ててあちらこちらに飛び散った生地を拭いました。

即席ハンドミキサーの回転を緩めれば何とか役割を果たしてくれることが分かりました。
そのアイテムに助けられ、それでも最後は再び腕を振るって、生地をようやく仕上げたのでした。


何が言いたいか???って
私たちはケーキ一つ焼くために、そこそこの「気力」「体力」「労力」を使ったということです。

・・で
焼きあがりました。
美しい出来です。

疲れた腕でさらにホイップを泡立て、苺を飾り・・・完成!!!!

f:id:kyokoippoppo:20220201185949j:plain
(苺は見切り品の棚で見つけた救世主!!
お安く手に入れたものの美味しい苺でしたよ!!)

残念だ!!

 3時のおやつにいただきましょう!!
ところが孫は苺だけが欲しいというのです。
彼女は、もそもそとした栗まんなどを美味しそうにたいらげるのに、クリームは好まないらしい。
和菓子好きな女の子のようです。
しかも風邪気味でしたので、さっぱりしたものを欲したのかもしれません。

ならばばあばでいただきましょう。
(夫もケーキはノーサンキュウです。)
紅茶を淹れてケーキカット!!
ぱくり。


娘がひとこと
「うまくない!!!!」。

え???
そうかしら??
と私。
私は「こんなもんでしょ。」という感想でした。

娘は、「これは食べられない」というのです。
バニラの味がしつこく、生地もふんわり感に欠けるというのです。
確かに・・
でも・・・・
私の子ども時代なら、これはもう立派なお菓子で、ホイップクリームだって夢のように美味しくて、きっと皿に残ったものだって指でこそげとって舐めたことでしょうねえ。

時が経ち・・・
世の中に美味しいものが溢れ、その美味しさも、繊細なものになっていき、私たちの舌も相応に変化したのかもしれません。
私は一切れ平らげましたが、それ以上は食べられません。
一部欠けただけのケーキが残されました。

自分で自分のバースデイケーキを焼くべく奮闘し、その結果が何とも残念なことになってしまい、徒労感を募らせる娘Aなのでした。
しかし、このまま廃棄はあまりにもったいない。
娘が苺をはがし、クリームを剥がしました。

クリームと苺はヨーグルトと合わせ、さらにリンゴを刻み入れ、新デザートとしてよみがえらせました。
f:id:kyokoippoppo:20220201070806j:plain:w300:left
こちらは美味しかった!!!

スポンジは荒く刻んで乾かし、鳥の餌台に置くことにします.。




が、
雪深き庭を私は餌台までたどり着けるのかな???