極寒極夜

寒波襲来

 本日24日!
ホッホッホ!
私のバースデーであります。

朝起きてスマホを開きますと、日本列島を襲う寒波に対する注意喚起のお知らせが届いておりました。


それに伴う大雪の予報も。
が、しかし、当地の降雪は少ないことが見込まれています。
オホーツク海沿岸中程の、白い空白地帯。
何故か雪雲の通り道にはなっていないようです。
今年明けてからは雪が少なく、難儀するような除雪作業は、まだ一回もありません。
ありがたいことです。
 寒さのピークになるとされる明日水曜日は、最高気温でさえもマイナス10度となり寒さは厳しいようですが、これに風雪が伴わなければ、本州の降雪地域よりは、やり過ごしやすいのではないかしら?

『極夜行前』

 さてさて、寒さ厳しいこの季節、
私の手元にある本は『極夜行前』(角幡唯介 著)です。

 極夜とは、一日中全く日が昇らない現象を指します。
極地の冬に起こる現象です。
角幡氏は、数か月間に渡り極夜の世界を歩き、その記録を『極夜行』というノンフィクションの作品に仕上げました。
2018年に本屋大賞、Yahooノンフィクション本大賞、さらには大佛次郎賞に輝いた作品です。

 当時これを読んだ私は、一連の記事としてその感想を残しております。
私の心に様々な知識と、感慨と感動を残してくれた一冊でした。
で、今回の本は『極夜行前』
極夜の旅のが綴られているとな?
ふーむ。
極夜行』を読み、その世界をすでに味わった者が読んで面白いのか?
その本を図書館の書棚から引きだした私の気持ちは、さほど高揚しませんでした。
二番煎じ感の強いものなのではないか?という先入観が先に立ったのでした。


しかしね、開いてみれば面白い。
一つの探検、冒険の前におこなう膨大な事前準備や、入念な確認、そのために行う本番さながらの旅の実際。

 角幡氏のもどかしく苦しい前進に連動するかのように、スルスルサクサクとは読めません。
いや、むしろ読みたくないとさえ思うのですよ。
じっくり味わいながら読み進めたいのです。
栞のヒモは、まだ本書の半分のところ。

 角幡氏は、極夜が明けたシオラパルク以北の地を歩いています。

画像はこちらからいただきました。
第2回 極夜の探検に欠かせないパートナーとの再会 | 文春オンライン


本格的な旅に先立ち、デポの場所が確保できるのか見定める必要があるからです。
(デポとは、商業用語としては、小型の物流拠点のことを指しますが、探検や登山での用語としては、行動計画に合わせて必要な物資や荷物を行程の途中に置いておくこと、また、その場所を意味します。)

下見とはいえ、橇に山程の荷物を乗せその総重量は150Kgはあろうかというもの。
橇引き、及び旅の体験がない若い犬ウヤミリックを伴って進む旅。

過酷な行程が繰り広げられます。
その上、角幡氏の身体は今までになく、寒さのために消耗しているのです。
どうも事前に体内に取りこんでおくべき脂肪の量が足りなかったようなのです。

すでに体験し、乗り越えてきたはずのマイナス30度が、何故が身にこたえるのでした。

 その日も朝から氷点下36度という寒い日だったようです。
とはいえ、寒さも風の強さもいつもと変わらない程度だったのです。
歩いても歩いても身体が冷えたままだった角幡氏でしたが、夕方を迎え、幕営することにしました。

テントを立てている最中に急速に右足が冷え始め、瞬く間に皮膚の感覚がなくなり、足の甲全体が自分の身体とは別の、何か無機質な陶器の塊のような感じになり始めた。

ぞくぞくとするような描写です。
角幡氏はあわててテントに入り、ストーブに火をつけ、靴下を脱いで火の上で足を擦りました。
血流が一気に回復したその時は、その流れの勢いで痛いほどだったと書かれています。

それでも、親指の先端だけは感覚が戻らず軽度の凍傷となってしまったのでした。

一瞬で、身体の先端が凍りついてしまった体験に底しれぬ恐ろしさを感じ、自身の身体の脂肪分の不足を改めて知る角幡氏なのでした。


昨日は、そこから数ページ読み進んだところで、本を閉じました。
目と気力が、それ以上ついていけなくなったのです。
グンナイ...zzzz

白夜の太陽

 明け方早く4時には目が覚めました。
そりゃそうです。
昨晩のグンナイ時間は、午後8時頃でしたからね。

 目が覚めるや、ふとんの中で、気になっていることを考え始めてしまいました。
角幡氏の下見の旅は極夜が明けてから始められています。
太陽は、顔を出しても高く昇らず、地平線を低く移動するだけだと書かれていました。

へえ〜、そうなんだ。
と思いながら読み進めましたが、
??
ところで極夜の反対の現象である白夜の時、太陽はどのように動くのだろう?


東から顔を出した太陽は、やはり地平線に沿うように動くのかしら?
(そもそもここに私の勘違いがあるのですが、それは置いときまして…)

南を経て西に至った太陽は・・・

え?
その先はどうなるんだ?

どうやって東に戻るんだ?


私はこのような疑問を持ったのです。
西の太陽は、どうやって東に戻るのか?と。


まだ暗い、居間に起き出してから気づきました。

私は西まで行き着いた太陽は、そこで行き止まりと決めてかかっていたのです。
だって、毎日ここで見る太陽は、西にたどり着けばそこで姿を消すのですもの。

白夜の太陽も、そこで行き場を無くすように考えてしまった私。
完璧に固定観念に縛られていましたね。

白夜の太陽は、そのまま西の地平線を低く進み、北の地平線を低く進み、東へ戻ってくるのですね。
ですから、私が、先程書いた
「東から顔を出した」という表現そのものが間違えているのです。

白夜の太陽は東から顔を出すわけではありません。
そもそも顔を引っ込めないのですから、顔を出すという現象はみられないのであります。


いやぁ~。
こんなこと、皆さん御存知ですよねえ。


 ではこのような場所があることはご存知でしたか?
日の出が1年間に1回しかない所。
半年の極夜と、半年の白夜が繰り返される土地。

極夜が明けた日の日の出があり、その後は白夜が続くため日の出現象がなくなります。
その後極夜に転じれば、日の出はやはり見られない。
北緯90度の北極点はそのような場所なのだそうです。

そんなこんなで、
極夜行前』を、楽しんでいます。
日本列島が凍てつくこの時期に。
皆さんくれぐれもお気をつけて。
明日は夫がプレゼントしてくれた温ったか靴下履いて出勤します。