アジアの片隅で・・吉田拓郎

『アジアの片隅で』 

 反戦歌の特集の4曲目。
選曲はTAISEI・AKIBA氏のこちらの動画を手引きとしております。

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今回は、吉田拓郎の『アジアの片隅で』です。
これは11番目のアルバムで1980年に初回が出ております。このアルバム内に収録されている同名の作品です。
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TAISEI氏の口から吉田拓郎の名前が出できたとき、
「おっ!ようやく馴染みの時代に近づいた。」
と思った私です。
が、しかし、私の知る拓郎の歌は、『結婚しようよ』や『旅の宿』でして、彼が歌う反戦歌というものは思い浮かびませんでした。
そもそも、歌手にしても俳優にしても、強く思い入れるということがなかった私でしたので、拓郎の歌だって多くは知らず、この度初めて知る曲も多々ありました。
歌手生活が長く、たくさんの歌を残した吉田拓郎を、ひと色で語ることできません。

 さて、この『アジアの片隅で』ですが、歌詞をたどってみますと「反戦」をストレートに歌っているわけではありません。
TAISEI・AKIBA氏も、これを反戦歌というよりは、メッセージソングに近いものをしてとりあげています。
そのメッセージにしても、戦闘的な熱はなく、12分もの長い曲からうかがえるのは、深い諦観のようなもの。
以下は歌詞の内容の一部です。(歌詞のままではありません。)

ひと晩たてば 国境を火が燃えつくし
ひと晩たてば 街並みは汚れ続け 車は人をひく
ひと晩たてば 働いて働きづくめの男が 借りた金にほろぼされる


それでも男は政治などをあてにしない
女まがいの唄があふれだしてやさしさがたたき売られて
悩む者と飢えた者は 両手で耳をふさぐ

このままずっと
アジアの片隅で生きていくのか


もう人は、拳を振り上げ叫んではおりません。
闘ってなどおりません。
両手で耳を塞いでいるのです。


押さえておくべきは、これは拓郎による歌詞ではないということ。
作詞者は岡本おさみ

この作品のメッセージは、岡本氏のメッセージでもあるということです。
このアルバム以後、吉田拓郎と彼とのコンビはしばし途絶えてもおります。
このブログ記事は、吉田拓郎を追求するものではありませんので、『アジアの片隅で』に関してはここで記述を止めておきましょう。

このアルバムが出された1980年には、70年初頭の世相は姿を消している・・・・そんな印象が強く残りました。

(1980年は、松田聖子の『青い珊瑚礁』がヒット。
竹の子族が出現し、この年発売されたゲーム&ウオッチ任天堂)やルービックキューブチョロQといった玩具が流行した・・・そんな年でした。)



さて・・・
TAISEI氏が紹介しなかった吉田拓郎の曲二つを、ここに残そうと思います。
両曲ともこの記事を書く過程で知った作品、『アジアの片隅で』以前の作品です。

『土地に柵する馬鹿がいる』


1966年大学2年のとき、コロムビア洋楽部主催のフォークコンテストにソロで出場。
「テイク・ファイヴ」のリズムパターンに三里塚闘争から着想を得た歌詞を乗せた自作曲「土地に柵する馬鹿がいる」をボブ・ディランの写真を見て、ハーモニカホルダーを針金を使って自作し、6弦のエレキギターを12弦ギターに改造して歌唱。
中国大会2位、全国3位となった。

Wikipediaより・・・アマチュア時代の吉田拓郎

三里塚闘争1966年に、にわかに浮上した成田空港建設計画に反対した農民たちの闘いが始まりであり、「反戦」のメッセージは含んではおりませんので、この記事に添える必要は無いのです。
が、前回の記事でこの闘争について触れましたし、まさしく時代が生んだ一曲といえますので残すことにします。
歌詞も拓郎によるものです。 

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『イメージの詩』

「イメージの詩」は、よしだたくろうのデビューシングル。
1970年6月1日にエレックレコードから発売された。
シングル『青春の詩』などと共に「広島フォーク村」時代に制作した楽曲。ボブ・ディランの「Desolation Row(廃墟の街)」にインスパイアされて作ったとされ、吉田拓郎と広島フォーク村は、この一曲によって世に知られるようになったとも言われる。本楽曲は吉田も参加した「広島フォーク村」名義のオムニバスアルバム『古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう』に収録された。

Wikipediaより一部抜粋)

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歌詞の一部

これこそはと 信じれるものがこの世にあるだろうか

長い長い坂を登って後ろを見てごらん 誰もいないだろう
長い長い坂をおりて後ろを見てごらん 皆が上で手を振るさ


古い船には新しい水夫が乗り込んで行くだろう
古い船を いま動かせるのは 古い水夫じゃないだろう  

拓郎自身は、明確な政治的イデオロギーを持っていなかったとされるが、「イメージの詩」には70年安保敗北後の時代の空気が色濃く滲む。

Wikipediaより一部抜粋)

たった今知った一曲!!

 スナフキン兵長という方の記事にたまたま出会い、ぐぐっと惹きつけられ、そしておもしろい一曲を知りました。

tokyo-panda.seesaa.net


ありがと!!
この情報いただきます!!
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歌詞の画像はこの方の記事からお借りしました。
基地サ よしだたくろう - 明日の葉っぱ(8×8)=69


 皆さんご存知のこととは思いますが、
吉田拓郎は2022年末で歌手活動を終了しておられます。
時代と共に歩み、歌い続けた偉大な歌手のお一人でしたね。

なんだかんだでボリューミーになってしまいました。


最後に私の好きなこの曲も・・。

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