八月の銀の雪

 ネット空間にあるスピリチュアルに関するメッセージを、さまよい歩く日々です。

並行するように、図書館で借りてきた本を開き、登場人物の生き様を追う日々でもありました。
右端の本は、古本放出コーナーからの持ち帰ったもの


今日は、そんな本の中から
八月の銀の雪』(伊与原新)
を紹介しようと思います。


その記事に先立ち、長男Hによる編曲作品も貼らせて下さい。
彼を応援するために私にできるせめてものことなのです。
ご理解下さいませ。
動画再生の上、記事をスクロールしていただければありがたく思います。
日曜劇場
マイ ファミリー』主題歌編曲です。

www.youtube.com

理系・文系

 さて、私は『八月の銀の雪』について書き始めましょう。
著者である伊与原新氏は、以下のような経歴の持ち主です。

伊与原 新(いよはら しん、1972年 -)は、日本の小説家、推理作家。
大阪府吹田市出身。
神戸大学理学部地球科学科(現・地球惑星学科)卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。
専門は地球惑星物理学。

Wikipediaより抜粋)
理系の方ですね。

ざっくりとでありながらも、理系文系が区別されるように、それは世界が違うもの、感じ方も違うもの、人はどちらか一方に属するかのように捉われがちです。

 伊与原 氏による『月まで三キロ』をこれに先立ち読んでおります。

紹介して下さったのは図書館司書のTさん。
「これ、科学を語った本ですよ。」
と言いながら書棚から引き出してくれたのですが、「科学」と聞いた私に、とっさにそれを遠ざけたい反応が生まれました。
いやあ・・科学なら・・いいや
とね。
つまり文系人間であるつもりの私は、その本がまとう「理系」を相容れないと感じてしまったのです。
それでも、せっかく引き出されたその本を私はTさんから受け取り持ち帰りました。
そして面白く読み終えました。
しかし、感想を残すまでの気持ちは残りませんでした。
著者のお名前の記憶すら残さず、私は先日新刊コーナーに置いてあった
八月の銀の雪』を持ち帰り読みました。
月まで三キロ』の著者だと分かったのは始めに収められている表題作を読んでからでした。

全部で6編が収められておりますが全て良かった。

面白かったし、生きる上でのエールを受けとることができました。
スピリチュアル的なメッセージとは違う角度から私を励ましてくれた作品たちでした。

一編ずつエッセンスを残したい!!
と強く思いました。

『八月の銀の雪』

今日の昼前、研究室でノートパソコンを開いていると、こないだ面接を受けた会社から”お祈りメール”が届いた。不採用通知のことだ。文面が〈今後のご活躍をお祈り申し上げます〉と締めくくられていることが多いので、就活生の間でそう呼ばれている。
 さすがにダメージを受けて研究室にいるのが辛くなり、アパートに帰ってベッドに倒れこんだ。

話をすることが極度に苦手で、器用に快活に生きられない堀川が登場します。
そして人に会う。
快活でアクティブなかつてのゼミ仲間清田。
コンビニで働くベトナム人グエン。
不器用で仕事にもたついてばかりいるグエンを、堀川は自分より下層にいる「できない奴」と見下げています。
あんたのレジには並ばねーよ。
と心の中で毒づくのです。

物語が進むにつれ景色が変わってきます。
このときに並行して展開するのが伊与原 氏の真骨頂ともいえる理系の世界なのです。

ここでは地球の内核が語られます。

内核は、地球の中にあるもう一つの星です。大きさ、月の三分の二ぐらい。熱放射の光をもし取り除けたら、銀色に輝いて見える星。それが液体の外核に囲まれて、浮かんでいる。この星の表面、びっしり全部、銀色の森です。高さ百メートルもある、鉄の木の森。正体は、樹氷状に伸びた鉄の結晶です。」

そこには、銀色の雪が降ってるかもしれない・・・・・

人を深く知ると、その人の別の層が見えてくる。
そういう物語でした。



(画像はこちらからお借りしました。)
「地球の内核の中には未知の構造が存在する可能性がある」との研究結果 - GIGAZINE


ここまで書いて気づきました。
あとの4編をこれにつなげて書くことは無理だわ!
と・・。
あとの4編は次の記事にいたします。