秋祭りの頃になると思い出される

 カテゴリーは「わたしの事」そして「ノスタルジー」「北海道の暮らし」
まさしくそれに尽きる記事です。
私がわたしの記憶のストックとして書き記すものです。
先にお断りしてしておきましょう。

宵宮

 地域の神社のお祭りです。
14日である今日が宵宮。
私が育った横浜でも、このようなお祭りはあったのでしょうが、私たちは引っ越してきて家を持った新住民であったからか、お祭りはどこかよそ事で、縁日風のところを歩いたとうくらいの、ささやかな記憶しかありません。

ですからここへ嫁いできて耳にした
「よみや」
という言葉は、私にとってその時初めて聞くものであり、
「よみやって何だ?」
と、思ったものです。
「よみや」は「宵宮」(よいみや)をはしょって言い表した言葉で、
宵宮とはお祭り当日の前の晩のことをいうことを、その時初めて知りました。

祭りの日の前夜のこと。かつては、この夜が祭りの中心の時であった。宵祭り。よいみや。夜宮祭り。 [季] 夏。

「よみや」とは?で検索・・コトバンク大辞林 第三版解説より


 この時期になると私は、嫁いできた年、初めて迎えた秋の景色を思い出すのです。
  *   *   *

三軒長屋

 私がこちらで生活を始めたのは37年も前の5月のころ。
直前まで私は、小田急町田駅前の西友ビル内の喫茶店で、アルバイトをしておりました。
教員の仕事は退職しており、その後北海道での暮らしをスタートさせるまでの間、そこでアルバイトをしていたのです。
店外にひらけた窓からは、店の2F入口に続く立体歩道が見え、人々が忙しく行き来していました。
春爛漫となり、アイスコーヒーやアイスティーの注文が増えてきて、透き通った氷の入ったグラスは、初夏の近いことさえ伝えておりました。

そんな時急に、嫁ぎ先での仕事が決まり、私はあわただしく北海道はオホーツク海沿いのこの町にやってきたのです。
仕事は、川に遡上するサケマスの増殖事業を手がける協会の事務。
全く目新しい仕事でした。
簡単な事務と、事務所の留守番兼電話番のような仕事でのんきなもの。
ヒマをもてあますような仕事場でした。
初夏の都会の風景から一転、望洋とした河口と港が見える漁協のひと部屋が私の仕事場になったのでした。
季節もまだ浅い春に逆戻り。

 新居は粗末な三軒長屋でした。
その頃の写真はないのですが、昨年撮った写真を貼りましょう。

かなり古い建物で、いずれ取り壊されてしまうのではないかと思い昨年写真に収めたのです。

私たちが住んだ頃にもこのような状態でした。

手前の玄関は住人が、サッシ状のものに取り換えておりますね。
でも私たちが住まったのは一番奥・・・・板張りの引き戸の方です。

トイレは汲み取りで、台所には、塩ビ管の水道配管が壁上をむき出しになって這っておりました。
そんな住宅でした。
でも、町の若いものはみんなこのような住宅に住んでおりましたし、何の苦も不満もありませんでした。

北海道の初夏

 しばらくするとやってきました。
かっこうが鳴く、北国の初夏が。
空は大きく、緑は青く、アスパラは美味しく、マスは川を昇ります。
キラキラキラキラ
鮮やかの一言に尽きました。
北海道の初夏は、輝くばかりの印象で、私はその空気に酔いしれました。

短い夏がいき、秋。

そう・・・・「よみや」という言葉に初めて触れた秋。

景色の印象が変わってきました。
お祭りに合わせて、町の電柱から電柱に色電球が渡されたのです。
日が短くなったことが感じられ、日没後の町には赤黄緑の色電気がペカペカと揺れるようになりました。
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それが、私ににはなんとも寂しく、うらぶれて見えたのです。
雨などふるとなお悪い。
傘をさして漁協に向かう道の景色は色を失い、
灯りの落ちた色電球が雨にあたり、さわさわと揺れている。
すすきも、デントコーンもさわさわ揺れている。
初夏のころあれだけ眩しかった草原は、何だか妖怪ポストでも立っているような風情になっているのでした。


 実際、秋はそんな日ばかりではありません。
秋の高いそらに清涼な空気、コスモスもあれば、ヒマワリだって、百日草だってまだ咲いており、明るい気持ちの良い日もあるのです。
なのに私にとっての秋の印象は、ペカペカ光る色電球。
嫁いできて、初めて感じた寂しさの印象が焼き付いているのです。
この時期になると、必ず思い出される景色です。

f:id:kyokoippoppo:20190914124623j:plain:w200:left町内班のメンバーが動員されて行われた、色電球の取り付けは、かなり以前に取りやめになっております。
今はこんな飾りのみ

  *  *  *

色電球がちょいと懐かしいですね。



秋祭り
新婚のころ夫と歩いた秋祭り(夜店)
生まれた長男と歩いた秋祭
生まれた次男と長男を連れて歩いた秋祭り
生まれた長女と次男と長男を連れて歩いた秋祭り
子どもたちがお友達と連れ立って歩くようになった秋祭り
PTAの夜間巡視の当番で見回り活動をした秋祭り
ほとんど覗くことがなくなった秋祭り
読み聞かせメンバーのフリマのお手伝いをすることになった秋祭り

今晩は娘と孫と歩く予定です。