家庭学校

『光の犬』の舞台が、我が町の隣に位置する遠軽町であることを知り、それにまつわる記事を書いております。

今回はその第3弾!
貼り付けの多いものになります。


今回は遠軽家庭学校についてです。

私はそこを訪れたことはありません。
観光のための施設ではないからです。

様々な困難を抱えた子どもたちが、様々な事情により家庭を離れ、ここで暮らし学んでおります。(写真はWikipediaより、礼拝堂)

ぷらりと訪れ見て歩く場所ではないだろうと思うのです。



北海道家庭学校(ほっかいどうかていがっこう)は、北海道紋別郡遠軽町留岡にある男子児童自立支援施設(旧教護院)である。日本国内の児童自立支援施設としては珍しい民間運営の施設で、施設や敷地を鉄格子や塀、柵などで閉鎖隔離しない「開放処遇」形態をとっていることでも知られる。

Wikipediaより)

『光の犬』では、「農場学校」という名称でこの学校が登場します。

工藤牧師は、農場学校のなかにある礼拝堂の運営と、農場学校の柱であるキリスト教教育に協力者として携わっていた。

『光の犬』より



牧師の息子である一惟(いちい)。
※この名は北海道ではオンコと呼ばれる赤い実をつける樹、イチイから付けられました。
彼は、父を手伝うために農場学校に通います。
讃美歌の伴奏をパイプオルガンで弾くのです。

一惟はここでの礼拝に、教会とは違う特別な空気を感じるのでした。

工藤牧師が赴任している”物語中の「枝留教会」”(えだる教会)は、現存する「遠軽教会」であることを前回の記事で書きましたね。

今の話題にリンクした!

 今回話題にする家庭学校について・・・・頼るはまずはネット記事!ということで関連のページやYouTubeを当たりました。



そうしましたらなんと!
まさしく今、色んな意味で話題になっている東京オリンピックと関係するものを見つけたのです。
昨晩ニュース(ローカル放送だったかしら?)でも放映されましたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
こちらです。
www.youtube.com

⚫よんばばさんのブログで本書を知る。
⚫本の舞台がとなり町であることに驚く。
⚫記事を書く過程で、家庭学校と、東京2020オリンピックとのつながりを知る。

しかも、このようなドンピシャリ!のタイミングで・・・


オリンピックに対しては様々な意見があり、皆様それぞれの姿勢で向き合っていることでしょう。

私は関連番組を追いかけてはおらず、目に入る切れ切れのニュースで関連のことを淡々と知るばかりです。
遠軽家庭学校で大きく育った樹木は、その命を差し出して、丁寧な加工と、施工を経てオリンピック会場での役立ちとなりました。
それだけに、今回のオリンピックに付きまとうネガティブな影が残念です。

遭難

 さてさて、『光の犬』に戻りましよう。
 家庭学校には、卒業生の方から贈られたロジャースオルガンという荘厳な音色を奏でる大がかりな楽器があったそうです。

著者松家氏は、「農場学校」にロジャースオルガンならぬパイプオルガンを配し、牧師の息子一惟にそれを弾かせます。

礼拝の手伝いをつづけていても、農場学校の生徒との直接のやりとりはほとんとなかった。異なる環境で育ち、それぞれにどこか似たような罪を犯した少年たちが故郷を遠く離れ、ここでの共同生活をしていることへの十代なりのあやうい義侠心もはたらいていたかもしれない。

『光の犬』より

 そんな一惟は、ここでバターの製造に励む石井毅少年と徐々に打ち解けてゆくことになります。
農場学校の生徒が作る業務用のバターは、品質の高さで知られておりました。
一惟はこのバターを枝留に住む人にも日常的に使って欲しいと思うようになります。
教会で販売してはどうか?と考えました。
顔面を傷におおわれた、との対面。
これが二人出会いであり、その後の交流の始まりでした。

 しかし、ある晩、毅はバターの売上金を手にすると学校を抜け出してしまいます。
病床にあり、回復の見込みがないことを母からの手紙で知った彼は、幼い頃生き別れた母に己れの姿をひと目見せたい一心でこの行為に及んだのでした。
「お金は必ず返します」という置き手紙を残して・・・・。

しかし、決行の日はあいにくの悪天候
降り始めた雪は、やがて激しい吹雪となって行く手を阻みました。
枝留の駅にさえたどり着けば・・・少年は足を進めますが、もう方向も分からないほどの風雪となり、彼は翌日凍死体となって発見されるのです。



 Wikipediaからの抜粋からも分かる通り、家庭学校は、日本各地の非行少年と呼ばれる子どもたちを集める学校です。
当然脱走する子どもがいることは想定されます。
しかし、ここでは、閉鎖隔離という対策はあえてしておりません。
学校が掲げる理念の一つといえましょう。


毅のモデルともいえる少年が過去に存在しておりました。
an-accused.hatenadiary.org


高い理念を貫き、継続させてゆくのは並大抵のことではないでしょう。
この事件のような、痛ましい現実にも向き合わなければなりません。
それでも脈々と続く家庭学校!
このような学校がこの土地にあり、その理念が人々と少年たちの努力によって今も息づいている・・・・そのことを大事に思いたいです。

こちら、家庭学校の創設者「留岡幸助」についてを伝える映画予告版です。
地元の撮影とあって、見知った顔がエキストラとして登場しました。

www.youtube.com




さらにこちらも・・。
これも私にとってはタイムリーなものでした。

『光の犬』を読み終えた直後に目にした道新記事です。


教会学校の一致だけで、枝留を遠軽と断定することに、疑問も持たれる方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は、この3点の他に、まぎれもない証拠がございます。

唯一、変換無しで書かれたもの。
それは、湧別川です。
枝留にある智脚岩から見える川。
添島が釣りのために足を運ぶ川は、天狗岳の源流から湧別平野を渡りオホーツク海へと注ぐ湧別川なのです。
kyokoippoppo.hatenablog.com

皆様!!!!!

3話に渡るこの記事をお読み下さり、誠にありがとうございました!