しんさいニート③ お金どーする?パチプロ志願?

 「しんさいニート」・・・・幼少期、父親からから受けた強圧的なコントロールのため、大変な生きづらさに直面し、自己肯定感の低さに苦しんだカトーコーキ氏が、その体験を綴った漫画です。

しんさいニート

しんさいニート


 彼を理解し、的確な回復への道筋を示す素晴らしいカウンセラーと出会い、自分自身を生きるための一歩を歩み始めたコーキ氏でしたが、もちろんすんなりというわけにはいきませんでした。

 そう、お金💰の問題です。カウンセラー芥川氏は、心身の安定のためには、
「就職は考えない方が良い。」と伝えます。
「あなたには表現者としての、生き方が合っている」と強く勧めます。
 そしてそれは、結果を見れば正しい助言であったことが、今となっては分かるのですが、その言葉を受けた当時のコーキ氏は

ボクの現実がお先真っ暗であることには変わらない

と困惑するのです。
自分が何を表現すべきなのか?を模索する日々にもお金はかかるのです。

生きているだけでお金はかかるのに仕事はない
仕事で社会と繋がり金を得る自信をボクは完全に喪失してしまっていた
けれどどうしても生活するための金を得なければならないボクは
打ち切りの決まっていた原発の補償の最後の金を握りしめパチンコ店に行った

 来る日も来る日もパチンコに通うこと3ヶ月。

彼は完全なる無一文になってしまうのです。
最後に頼るところは母親しかありません。
「私だって大変なのよ。」と困惑する母親から何とか一年間の援助を取り付けたのでした。

 そして一年後。(この間の様々な紆余曲折も大変読み応えがあるのですがここでは省略します。)
そう、一年後。
 コーキ氏は漫画を描き始めています。もちろんその作品の発展も、出版の見通しもない時期です。
ですが、コーキ氏にとって漫画を描くことは生きることと直結しており、切り離すことはできなくなっていました。
 母親からの援助期限切れを前にして、再びコーキ氏は母親に頼み込むのです。

しかし、震災に関わる就労不能損害の助成金が打ち切られたという事情をかかえる母親の切迫感は一年前とは違いました。

「働いてもらわなければ‼️」
彼女はきっぱりと告げるのです。

お母さんにとって、「いずれ漫画」でなどという息子の言いぐさにいつまでも、乗っかっていられないという焦燥感があったことでしょう。


34歳にもなって親の金をあてにしなければ生きていけない、情けなさ申し訳なさを切々と感じるコーキ氏でしたが、
生きるよすがを見つけ、その道の途上であった彼にも、一年前とはまた違った切迫感があったのです。
彼の生々しい感情が溢れ出します。



結果どうなったのか?・・・・・・作品中では語られていませんでしたがきっと息子の言葉に折れたのでしょうね。



 さて、我が家でも似たような状態が発生します。

親として、息子が鬱から回復することを切に願っている私。
主治医が、まだ就労が無理というなら・・・・そうなのだろうと理解します。
医者かそういうなら仕方ないね。と言うしかありません。

それでも息子は焦り、親への負担を減らしたいあまりにアルバイトをしたりもしました。案の定病状が悪化。その報告を受ければ、当然
「なんで、無理に働くの?!」と、うんざりした気持ちになるのです。余計金お金がかかるじゃないか!(受診回数が増えたり、薬が増えたり、その調整のための短期入院があったり・・)
だから、強く安静を勧めます。
しかし、その、安静期間、経済的な安定のための十分なお金を出してやれるかとなるとこれも難しい。「そろそろ限界だよ。」などと口走る。
慰め、励ましつつも、追い立て、責めるという矛盾した会話になることともしばしばです。

そんな日々を送っております。
そう。その日々の出口がはっきりしていないことが、不安に拍車をかけます。
・・・ミニロトは当たらなかったしなあ。(時々200円ずつ買ってます。)

コーキさん、出口まで辿り着いてよかったね。
作品が世に出て良かったね。
我が家はどうなるかな?
息子もささやかながら、表現活動をしているんだよ。どうなってゆくのかな?
子どもたちの有り様についてどこまで書いちゃって良いかわからないので、今日はここまで。
(読者は娘一人、再びアクセス0やら1やらの我がブログですが・・・・)