ティールへ向けてのぶらぶら旅 ⑤

秋ですのでね!! 

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 暖色系の布を縫い合わせはじめています。
秋ですのでね!!
遅々として進みません。
いつまとまった広さの布となり、何かに利用される日が来るのやら?
「秋ですのでね!!」
と書いたものの冬を越え、春を越え、夏を越え数年越しの作業になること間違い無しです!!
このような端切れを処分してしまえば、私の部屋はいくらかスッキリするのですが、
おほほ…捨てられません。
 

戦いの経営

 さて・・・ティール時代を探る旅ですが、
休むことなく続けています。

とにかく自分の興味の向くままに書き進めております。
わがままな旅です。そう、お断りしておきましょう。
ご了承のうえ、道連れになって下さいませ。

 前回の記事末尾部分を書き直しました。
文章のちょいとした手直しでしたが、今記事への橋渡しも兼ねまして下記に貼り付けましょう。

企業組織に訪れている変容が、教育界にもいずれ波紋を及ぼすであろうことは納得できます。
しかし、その波紋が、長きに渡り教育と一体化し、教育界に浸透したテーラーシステムの影響を覆すほどの力をただちに持つか??
と問えばこれはやはり考えにくいですね。

学校教育あり方が、ティールに向かうのはそうそう容易くはないでしょう。

ならばまずは、家庭教育において、まずは親子の関係において・・・「ティール」に向けての教育を意識しよう!!
天外氏の発信はそこに向けられたのではないでしょうか??
そのための指南書として世に出したものが、『ティール時代の子育ての秘密』なのだろうと思うのです。

 天外氏は、『ティール時代の子育ての秘密』第1章で、ある社会的な成功者の葛藤について書いておられます。
大きな事務所を経営する所長さんなのですが、親子関係に問題を抱えていたのです。
その方の育ちの中で起きた出来事がトラウマになっていて「情動の蓋」が閉まった状態になっていたのでした。


社会的な成功者と呼ばれる人に、このようなタイプの人が少なからずおられるようです。
自分の葛藤(トラウマや劣等感や不全感)を戦うエネルギーに変えて、社会的な地位を掴みにゆくのです。

このような人がトップに立つと、組織運営をどうしても他者に委ねることができずワンマンになりがちです。
全てを自分が見通し、管理していないと落ち着きません。
強いリーダーとして自分を誇示したいがために、鎧を着たような状態が続きます。
そんな上司の下で働く者たちも鎧を着込まなければならなくなります。
息苦しく、緊張した空間ができあがり、その圧力に耐えられなくなった人はやがて病むことになりましょう。

また、例にあげた所長さんのように、社会的な成功の影で家庭や家族が犠牲になっていることも多いと天外氏は指摘します。

これほど典型的では無いにしろ、職場が働き辛いという話はよく聞きますし、仕事とストレスは切っても切れない関係であるという想像は容易くできることでしょう。
多忙な仕事や、そこでの人間関係が元で鬱病などを発症する方も多いのです。

経営者が鎧を着込み武装し、部下を管理する経営方法を天外氏は「戦いの経営」と呼びます。
戦いの経営」は、通常の管理型なら上手くいくことが多く、今ももちろん健在!!有効!!だと思われております。

しかしこのような経営方法は、先にあげたような負の要素も生み出します。

天外氏は、天外塾という経営者向けのセミナーを長きに渡って続けておられます。
そこで、
「戦いの経営」とは正反対の「フロー経営」を伝えてきたのです。
フロー経営とは・・・

具体的には、指示・命令をなくし、すべてを現場の判断に委ねることで職場が見違えるほど活性化するという経営です。
これは、創業期のソニーがモデルであり、チクセントミハイという心理学者が提唱する「フロー理論」に裏付けされています。

ティール時代の子育ての秘密』より

!!!「フロー経営」と「ティール組織」似てますね。
いや、同じなのか?
同じと言いきれないにしても同類!!
おなじ方向性を持つものとみてよいでしょう。

フローとは???

Flowのそもそもの意味は、

(絶え間なく)流れる、流れ出る、わき出る、流れるように動く、流れるように通る、すらすらと流れ出る、流れるように垂れる、風になびく、巡る、通う
などです。

そしてフロー状態というのは、ある活動に完全に没頭し集中できる心理的状態を指します。
それによって、作業自体から充実感や満足感が得られるようになるのです。
 
フロー経営は、フロー状態に入るための最適な環境を意図的に作り出そうとする働き方ということ。

さっそく、フロー理論を提唱したチクセントミハイを検索してみました。

ミハイ氏の講演が動画になって公開されていました。(いつの講演でしょうか??TED2004の表示が見えますが・・。)
これがなかなか面白かった。
(字幕動画とともに講演記録も書き出されております。)
今回の旅は、こちらの講演会にでかけたということにいたしましょう。


www.ted.com

私はスイスのスキーリゾートに居ましたが 遊ぶお金はありませんでした。
雪も融けてしまったのに 映画を見に行くお金も持っていなかったのですが -- チューリッヒの街中で 講演会をするという新聞記事を見ました。 空飛ぶ円盤について話すということでした 私は まぁ映画にも行けないのだから 無料なら空飛ぶ円盤の話を聞いてみようかと考えました。
その晩講演した男はとても興味深い人でした。 小さな緑の宇宙人の話の代わりに 彼は ヨーロッパ人の精神がいかに 戦争で傷ついたかを述べました。
空飛ぶ円盤を空に見出すことで 古代ヒンズー教曼荼羅にあたるものを 空に映し出すことで それは戦争後の混乱の中から 何かの秩序を取り戻そうという試みだと 語りました。
私はこれをとても面白いと思いました。 この講演を聞いてから 彼の本を読み始めました。
カールユングがその人でしたが それまでは名前も成果も知らなかったのでした。

ミハイ氏講演の一部です。
懐の寂しかったミハイ氏が、無料であることを理由に「空飛ぶ円盤」の話でも聴こうか??
と軽い気分で講演会場に足を運んだことが伺えます。
カール・ユングの名前すら知らなかった彼のその行動が、後々の「フロー理論」につながってゆくのですから・・・面白い!!
これといった意志も持たず、偶然に身を任せたような行動・・・こういうところに実は大きな運命の采配があるのかもしれませんね!!

これは ソニー創始者である井深 大の味わい深い一言です。
彼はそのときソニーを始めたばかりでお金もなく 製品もなく --製品がなかったのです。
何もない状態でしたが アイデアがありました。 彼のアイデアというのは エンジニアが技術革新の喜びを感じられて 社会に対する使命を意識して心ゆくまで仕事に打ち込める 仕事場を作り上げるというものでした。
「フロー」が職場でどう実現されるのか これ以上よい例を思いつきません

ソニーの井深氏について語られた箇所もありました。
ミハイ氏が語ったのは、創業期のソニーのあり方です。

 その後ソニーは業績を落とし、株の暴落を経験します。
その原因について天外氏は次のように指摘しています。

日本に合理主義がもたらされ、ソニーも徐々に合理主義に傾倒していくことになる。
天外氏によれば「ソニーはおかしくなり」、社員の士気は下がって業績も降下。
2003年には「ソニーショック」と呼ばれる株の暴落を経験することになった。
この時、天外氏はなぜソニーの凋落したのかわからなかったというが、調べを進めていくうちに、合理主義のマイナス面に理解が深まり、それと同時に心理学者のチクセントミハイが提唱する「フロー理論」に行きついた。
フロー経営は知れば知るほど創業期のソニーを彷彿させ、実際、チクセントミハイはフロー経営の成功例として創業期のソニーを紹介したという。天外氏は「フローとは夢中になって物事に取り組む状態のことで、フロー状態になるには自由と自主性が重んじられる『安心安全の場』が欠かせない」と解説した。

(HR総研のウェブページより)改行・大文字はkyokoによる


フロー状態になるには自由と自主性が重んじられる『安心安全の場』が欠かせない
この言葉が決め手になりますね。

「戦う経営」からフロー状態は生まれない。
「戦う経営」と決別しなければならない。

天外氏はこのような確信に至ったのです。
 
 *  *  *

魔法のマントラ

 さて、初めに紹介した家族との問題を抱えていた所長さん!
この方の情動の蓋を開けるお手伝いをした天外氏の導きで、所長さんはご家族(お嬢さん)との関係を修復したそうです。

ティール時代の子育ての秘密』第1章ではこのエピソードが紹介され、本書はいよいよ子育てに関する話題に入ってゆきます。
この章で、のっけからの結論と称して紹介されるのが、


親子の問題を解決するためのマントラです。
「○○ちゃんが生きていてくれるだけで、私はとても幸せです。」
この言葉を何回も何回も唱えれば良いのだ天外氏は述べています。


何回もって?
もう180回は唱えなさいと。

その唱え言葉が、自分の深層に届くまで唱えるということですね。



簡単なことのようで、なかなか行えません。

私やってませんもの。
せいぜい私の瞑想タイムに数回止まり。
まだまだですわ!

この行為が何故子育ての問題解決に役立つのか?
は次章以降で語られています。
私の記事も今日はここまで!