読書感想文改め、夏休みの自由研究

もうね!
『ザイム真理教』のネタ、自由研究モードに切り替えますよ。

2つ前の記事で、自分の知識欲とつながらない!
と言い切ったにもかかわらず、何がどう変わったのやら、首を突っ込み書き始め、連載企画になりそうな様相を呈してきましたよ。
ということで、タイトルも早々に切り替えました。
kyokoの自由研究です。

いつものように、私の連載記事は自分の興味の向くままに、思いに駆られて行うことです。
億劫だな…と感じる方はお気になさらず引き返して下さいね。

国債って???

 前回の記事では、国の借金(国債残高)を、ネット(純量)で見るか、グロス(総量)で見るかでその額は変わること、『ザイム真理教』の著者である森永氏は、ネットで論じる方である、というところまで書きました。

一般的な庶民である私の感覚では、家計費が足りないからといって借金を重ねるばかりではいかんだろう!
簡潔単純にそう思うわけですよ。
そして、はるかに経済に明るい識者も、それに似たような発信をし、「財政均衡」などという言葉を使えばそちらの言葉の方に正しさや常識を感じるのです。

森永氏はこれこそを「洗脳」と断じます。

本書62ページでは、(ネットでみる)日本の借金の額は、公表されているグロスの3分の1程度であり、

話はそれだけでは終わらない。実は日本政府が抱える本当の借金は、ほぼゼロなのだ。

とまで書いています。

これまで、多くのマスコミ関係者や政治家、あるいは学生にこの話をしてきたそうです。
しかしなかなか納得してもらえなかったそうです。
あたり前田のクラッカーでしょう。
これ、信じていいの?
という疑念を抱かせるという点では、よほど、森永氏の方が怪しい教祖のようにも感じるわけです。
それでも、ページを進めます。
森永氏がほぼゼロと書く根拠として、通貨発行益の話になってゆきます。

●政府の国債残高(借金)は、ネットでみる。
●となると、その額は経済破綻を危惧するようなレベルではない。
●インフレ率が目標を越えない限りにおいて、財政均衡は無視してもよい。
一定の歯止めは必要だけれども、国債を発行(財政出動)して国民の生活を潤し安定させるのが良い。

森永氏はこのように述べるのです。
kyokoのお勉強として、通貨発行益についてネットから引っ張ってきたものを貼っておきましよう。

日銀の通貨発行益(シニョリッジ)と国債の利子とは?わかりやすく図解 | あおりんごの経済と金融

(あおりんごさんの記事、一ヶ所通貨が通過になっていますね。)

日本銀行の利益の大部分は、銀行券(日本銀行にとっては無利子の負債)の発行と引き換えに保有する有利子の資産(国債、貸出金等)から発生する利息収入で、こうした利益は、通貨発行益と呼ばれます。

日本銀行の利益はどのように発生しますか? 通貨発行益とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan


国債の発行によって得られる日銀の利益が、国の財源として使われる。
その利益は国が日銀に支払う利息である。


え?
え?

借金した相手(日銀)に支払う利息が、そのまま自分(国)の財源として戻ってくる、と読み取れるのですが、そういうことなのですか?
とても恥ずかしいのですが、「国債」という言葉を普段聞いていても、私の理解はこの程度。

日本のように自国通貨建て(円建て)で国債を発行している場合には、国債債務不履行は起こり得ない。
というのは、このことなのですかね?

アベノミクス

先に進みましょう。

 森永氏は以上の理由から、今々の国債残高については心配の種にならないと考えており、政府は国債発行をして得られる利益を国民のために使うべし!と論じているのです。
国民のために使う=消費税を下げるべし!
とこういう主張なのです。

森永氏の立場からいえば、アベノミクスにおける三本の矢
①金融緩和
財政出動
③成長戦略
は、歓迎できる考え方だったようです。
安倍氏は、金融引き締め派の白川日銀総裁から、金融緩和に積極的な、つまり安倍総理の意向に添う黒田総裁を起用し、「異次元」と名の付くような緩和を行いました。
年80兆円程度の国債を、日銀が引き受けたのです。(2013~2016)


それでも、何ら負の影響は起きませんでしたよ。

と、森永氏は書いています。

しかし、アベノミクスは最終的には、失敗に終わっています。
この原因については諸説あるようですが、森永氏の説を、極々簡単に要約しますと、先程書いたことになります。
金融緩和で得たお金を、国民に回さなかったから、財政出動を掲げながら、お金を借金の穴埋めに使ってしまったからというのです。
そして、国民に対し、8%に続き、10%の消費税を強いてしまったこと、これを失敗の原因とみています。



「実質賃金と消費税」の検索結果 - Yahoo!検索(画像)
(画像はこちらから)

しかしながら、2回目のアップに関しては2度の延期が行われたこと、
ここに安倍氏の反財務省の姿勢を見ることができるのです。
アベノミクスは失敗したものの、安倍氏が『ザイム教団』と戦う姿勢を持っていた事を森永氏は書いています。
2017年4月に消費税の10%引き上げを延期した際の心境が『安倍晋三回顧録』に綴られており、それが、紹介されています。

デフレをまだ脱却できていないのに、消費税を上げたら一気に景気が冷え込んでしまう。だから何とか増税を回避したかった。しかし、予算編成を担う財務省の力は強力です。彼らは、自分たちの意向に従わない政権を平気で倒してきますから。
(中略)増税論派を默らせるためには、解散に打って出るしかないと思ったわけです。

いやあ、財務省と政府の関係ってそういうものなのですか。
それも知らない私でした。
夫にちょっと尋ねてみたら、知っていた。
こういうこと、みんな知っているのかな?
安倍一強などと言われていたけれど、財務省とはこのような緊張関係にあり、延期の末、2019年に消費税は10%に引き上げられたのでした。


 その財務省なるものを、森永氏は、カルト教団と呼ぶ。
その力が強大なことは、わかりましたが、その財務省はそれほどに国民にとっての災厄なのか?
それの理解には至りません。
そもそも、「分からなさ」を道連れに!と標榜した以上、ここは性急に答を急いではならないでしょう。

続きは次回の記事で。