あんしん

札幌へ

 7日日曜日、遠軽発の都市間バスに乗り札幌へと出かけてゆきました。
気温が高めだったのでしょう。
札幌は湿気のある雪がみっちりと降り続いておりました。

最近引越しを終えた娘たちの家での3泊4日を過ごし、昨日戻ってきました。
記事に残したく、パソコンに向かう次第。

 初回の結婚の後、夫くんとの関係が不安定となり、別居を経て離婚のコースをたどった娘です。
地元(湧別)で3年間暮らした後に、孫の小学校入学のタイミングで札幌へと引っ越してゆきました。
元夫くんとは、話し合いもでき、落ち着いた交流もできたからこその引越しでした。
しかし、復縁の気持ちは無く、もともとの知り合いでもあったTさんとの再会、交友を育んだ末に、その方との結婚を決めたのでした。
娘は再婚ですが、お相手さんにとっては初婚。
しかも前夫さんとの間の子どもまでいるわけで、通常ならよろしくない条件といえますよね。
娘は何度もそれを伝えたそうです。
しかし、それでも!
という気持ちをお互いが持つに至り、暮らしを共にすることを決めたのです。
その後の進展は早く、中古の戸建てをリフォームした新居へ昨年末に引越しました。

 私は今回、そこを訪れたわけですが、新居見学だけがその目的ではありません。
娘は8日に親知らずの抜歯手術を受けることになっていたのです。
一泊二日の入院で。
私は孫との留守番のため、札幌へ出てゆきました。

くっつき家族

 Tさんお人柄については、たびたび娘から話を聞いていましたし、昨年の夏と秋には当地を尋ねて下さり顔を合わせる機会もありました。
今回は三人の暮らしの中にお邪魔して、その様子を目にすることとなりました。
タイトル通りの家族の様子に、心温まった私です。
私の育ちの中には無かったもの、私の子育ての中でしてやらなかったことがそこにはありました。
そんな交流の様子は私の目に新鮮に映りました。
「よく くっついているなあ」
簡単な言葉にすればそういうこと。

孫のKはすっかりTさんに懐いていました。
抱っこをせがんでは、Tさんにひょいと抱き上げてもらっているのでした。

そもそも娘Aが、我が子をよく触り抱きしめて育てるタイプなのです。

私の子育ては、十分に遊び相手をし、可愛がってきたつもりですが、乳幼児期を過ぎたあとは、抱きしめてやるこようなことは、してきませんでした。
私の母親もそうだったからか??
身体を包み込み、体感的な安心感を与えることや、愛情を伝える・・・そんなアクションが私は苦手・・という以前に、してやろうという気持ちも無かったのです。
自分の母親がそうだったから、ということをその理由にするならば、当然娘の子育ての姿勢もそうなりそうなものですが、
娘はそうはならなかったのです。
我が子をよく抱きしめ、「大好きだよ」という言葉も頻繁にかけています。

私の母は愛情深く私を育ててくれましたが、「こうあるべき!」という自分の思いで私を縛り続けてもいました。
そんな母の縛りは、私の中に染み込んで母の直接的な管理が無くなったその後も、私は「善き人」「善き妻」「善き母」である路線を踏み外さないように生きてきたのです。
それが悪いこととは思いません。それによって得たものもありましょう。
しかし、それによって欠落してしまうものもあるのだと思います。
なんていえば良いかしら?
義務感が先行して、感情に任せたアクションが出にくい・・
そんな感じ。

母性全開!

 我が子たちをあまり縛り付けないように・・そのような姿勢で行ってきた私の子育て。
それによって我が子たちがどのようだったのか?は多くの記事に残しました。

娘は、「全く子育て願望ないわ!」
「子どもを可愛がる自信が無い!」
と、おおらかに主張していたものです。
以下Aの育児日記からの抜粋です。


昔の私
私は子どもを産むまでなにが心配だったって

《愛せるのか?》
《私に母性はあるのか?》
ということでした。

子育て願望ゼロだった私。


まぁ色々ありまして産んでみたら、、、
まぁなんということでしょう。

可愛いんですよ。
なんて可愛い生き物なんでしょう。
びっくりするほど可愛い。
今世紀最大に可愛い。

私との違いがここにあると感じます。
自分の感情を、そのままに見つめて表現しています。

離婚はもちろん喜ばしい出来事ではないし、体裁よいとは言えません。
しかし、ここでもAは、「無理だ!続けられない」という自分の心の声に従ったのでした。
そして、今につながってゆく。
最初の結婚生活を体験しなかったら、自分はTさんの魅力に気付けなかった。
そのように言うAなのです。

目と目を合わせて話す姿。
小さなことも、大事なことも相談しては、穏やかに折り合っている姿。
お互いの身体や心を気遣い、手助けのために速やかにごく自然に動いている様子。

Tさんの感情表現は決して派手ではありません。
しかし、上下の振れ幅がなく穏やかです。・・・ですからそれに呼応する娘も実に伸びやか!

私が味あわなかった生活を目の当たりにし、
「こういうことが可能なのだな。」
「すごいな!」
と感じました。
(もちろん羨ましい・・もね!)
もうね、心からの安心感を味わったのでした。
血のつながりの無いKちゃんを、Tさんがどのように受け入れたのか?
彼の心の有り様まで私が勝手に推測することはできません。
義務感も発動して作られてきたことでしょう。
でも、私には、ひとりの「小さな存在」を慈しみ、包み込み、大切に育もうとする「人間愛」のようなものをTさんから感じることができました。


こんな美しめの記事を残しましたが、この一家も時とともに変化をしていくことでしょう。
苦しいことや厳しいことに向かい合う日がやってくるかもしれません。

でも私は3泊4日で味わった「あんしん」の気持ちをここに残すことにしました。

新居地域の氏神さまへの訪問も済ませてきましたよ!!