てくてく
太陽が空高く昇るにつれて、その熱は物理的な暴力のように彼に襲ってきた。
空気は加熱し、息を吸いこむとのどと肺が焼けるようだった。
読み進めている『アラルエン戦記』の7巻からの抜粋です。
主人公のウィルが、手放してしまった愛馬の行方を追って砂漠を彷徨う場面。
目指す場所から大きく逸れた場所で彷徨うウィル。
彼が生き残ることも知ってるし、愛馬タグも彼の元へいずれ戻ることも知っている。
(ここより時が進んだ地点が、5〜6巻にて既に描かれている)
そもそもこれはお話の世界。
それでも私は、彼の味わう暑さと渇きの苦痛に心痛めながら読み進めるのです。
その私の居る場所は自宅の居間。
エアコンもないその部屋のカーテンを閉ざし、保冷剤をタオルに包み首に巻きながらページをめくっていたのでした。
7巻の終わりまで、あと1章というところで腰を上げました。
図書館に続きを借りにゆかねば!
外へ出れば日差しは雲に遮られており、風はいくぶん涼しくなっておりました。
あまりに運動不足だわ!
車を使わず歩いて行くことにしました。
が、程なく日差しを防いでいた雲間から太陽が顔を出し、アスファルトを照らし始めました。
風の涼しさはもはや感じられず、私は、次なる家々や木立が作る日陰を求めるようにして足を進めました。
ウィルの味わう暑さの一部を共有しているような気持ちでね!
涼しい図書館へ入り人心地つき、シリーズの並ぶ棚へGO!
2冊を抱えると、再び眩しい光の中へと踏み出しました。
暑さに喘ぎながら帰宅。
7巻の残りわずかを読み終えた私の目は、最後のページの(第7巻下につづく)の括弧書きを捉えました。
そして、今々借りてきた本を手に取れば、それは8巻。
れれ?
7巻下ではなく、8巻?
慌てて引き抜いてきたために、私は次なる1冊を取りそこねたのか?
書棚に残してきてしまったようです。
アチャー!
なんのために暑い中歩いて図書館まで行ったのだ。
再び立ち上がると保冷剤を巻いたタオルを首から外し、今度は迷わず車にてGO!
さっき図書館を去ったkyokoが、また自動ドアから姿を見せたので、カウンターのKさんが、目を丸くしました。
読みたかった巻を飛ばして借りちゃったのよ!
と言いながら棚へ。
7巻の下
無いわ。
貸し出し中?
そう言いながらカウンターへ向かう。
Kさんが、パソコンを眺めながら、私の借りた8巻が、7巻『奪還』の下巻になっているのです、と教えてくれました。
なあんだ!
先を読みたいあまりに、良く確かめず、大慌てて車に乗り込んで来てしまったのでした。
いやいや、お騒がせしました。
家に戻って続きを楽しみます。
と改めて挨拶をして再び図書館を後にしました。
奴の羽が・・・
さて・・・
外にでて数歩。
そこで、私は見つけたのです。
ふと目を向けたそれは白樺の枯れ葉ではありませんでした。
小ぶりのものでしたが、それは
目玉模様を付けた茶色のもの。
クスサンの羽でした。
kyokoippoppo.hatenablog.com
ああ、今年もお目見えするのか?クスサン。
『キライ!◯◯サン!』
のタイトルで蛾を怖れる私を語った記事は…昨年9月3日のもの。
ああ、そろそろ出現時期なのかもしれません。
図書館出口で見つけたこれを皮切りに、今後たびたび目につくのかもしれません。
帰宅後改めて本を引き寄せる。
確かにね、このように眺めれば、これが、『奪還』の下巻であることは分かります。
でも・・「7巻下」という書き方では、やはり???!!!えっ??って思いますよね。
夕焼け空
夕方、
「積乱雲がすごい!」
と言いながら夫が出先から帰宅。
外に出てみました。
真っ赤な西日が山の向こうに沈んでゆきました。
夕立
日曜日午後。
昨夕、あんなに紅い夕日を見せた空は、黒い雲に覆われました。
昼間にも関わらず、夕闇のように暗くなり雷と雨。
暑さは一段落しそうです。