新しい扉

インスタグラム

 今や私の日常にしっかりと組み込まれて、大いに楽しんでいる「ブログ」という趣味ですが、5年前、始めるにあたり立ちはだかっていたのは、大変高いハードルでした。
私にできるのか?

 そもそもそれ以前に、日記をブログなどと呼び、それを公開するってどんな趣味?
悪趣味だわ!
ブログに対する私の先入観はこのようなものでした。
しかし、そのブログをひょんなことから始めてみて、今やそれは……
初めに書いた通りです。

 そんな私が、この度インスタグラムに挑戦しました。
何故に?
それは我がブログに残されたまま、今や遺物状態となっている
」たちに再び光を当てたいと思ったからなのです。
私はこのメインブログの他に、
「偶偶石(たまたま石)」だけを抜き出したブログも作っております。
そこを再開させれば良いのでしょうが、ブログとは趣きが違うインスタグラムという場所で、石たちを再び並べて紹介してみたいと思ったのです。
(内容は、すでにはてなで投稿した石たちの再登場となりますので、訪問などのお気遣いはいりませんからね!!)
 

 そう思い始めてからも、ぐずぐずと時間が過ぎました。
新しい扉を開けるために越えるハードルは、やはり存在するのです。
ブログ開始時のハードルよりは格段に低いと感じるものの、やはりね…。

 図書室に勤務する若者Kさんに、そんな話を漏らせば、
「始めるのは簡単ですよ。ワタシもやってますもの。続けるってことの方が難しいと思いますよ。」
そんな励ましをもらい、さらに数日。


図書館にて、いよいよこいつを借りてきました。
ワタクシ、まずはアナログ的な書物に頼りたいのです。

はじめの半歩 

 
 始めの1歩!といえるアプリの導入は、かなり前に娘がやってくれています。
ですので、私はあと半歩も進めば良いのです。
そう・・・自分のプロフィール画像を作り、投稿すればよいだけ。

その半歩のために、休日の朝の数時間を要しました。
掃除機もかけずにね。

で、

できました。

キャプションという場所に、書くべき文章を入れそびれ、コメント欄に「初投稿!」と書いたそんな第一弾でした。
だるころさんのマークが写り込んでいます。
なぜか上手く切り取りできず。そのままアップしてしまいました。ごめんなさい。

やったあ!
新しい扉を開けて、満足満足の日曜日でした。

 さてさて、続きがあるのです。
その日の終わりに読んだこの本、

されど石

 その晩手に取った本はこちら。

前回話題にしましたが、まだ読み終わっておりません。
開いたページは180ページ、『カラコルムの水晶』という章でした。
このような始まりでした。

パキスタンの山村の子どもたちにめずらしい石ころをもらい、日本に帰った今もそれを時々眺めている。稲妻の光跡のような黒い石、エメラルドブルーの小さな石がへばりついた灰色の小石、そして白く透明で無骨な水晶の原石。

おや?石の話題で始まるとは!


 2015年の夏、石川氏は、ヒマラヤ山脈の西端、カラコルムにあるK2カラコルムにある世界で2番目に高い山という意味が、そのまま山の名前として残ったのだそうです。)
へ登るべく準備をし、そこへと向かいました。

下見も行い、入念な高所順応も終えて向かったものの、天候という人にはどうにもできない都合により、ベースキャンプより先へ進むことができませんでした。
そんな無念の帰路、たどり着いた麓の村がアスコーレ村。
撤退により余った食べ物を、村の子どもたちに分けてやった石川氏。
子どもたちは、それに対するお礼の気持ちからでしょうか?彼に近くで見つけたという石をプレゼントしてくれたのでした。

 その後、銀座で行われた写真展の際、石川氏はこの石も共に展示しました。現地の風をわずかでも感じてもらえるようにという思いから。
ガラス板は上部に浮かせるようについており、側面は剥き出しの状態でした。
写真展会場に、石目当ての人が来るとも思われず、簡素な展示で済ませたのです。
その初日に、石の一つが何者かによって盗まれてしまったというのです。

たかが石、されど石。あの石と同じブルーの石を探して、もう一度K2の麓を歩きたい。

 
石川氏にとってその石は「K2」そのものともいえるもの。
宝石的な価値を越えるものだったのです。

 私が拾い集めた石には、とりたてて語るような思い入れはございません。
 ただね、「石」に特化したインスタグラムを始めたその日に、『カラコルムの水晶』のページを開いたことに、ささやかな共時性を感じた私なのでした。

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 「カラコルムの水晶」のワードで検索をかけてみました。
『地上に星座を作る』の作品情報を探すつもりでしたの。
そしたら、そのまま「カラコルムの水晶」としての商品がたく目に飛び込んできました。
へえ、カラコルムは水晶の産地なのですね。