読書

異世界へのいざない・・④ おばかさん

きれいな朝 その日も、静かな、灰色の真珠のような感じの日でした。 ああ、とてもきれいな朝。 アンナがマーニーと初めて会う日は、このような朝で幕を開けます。『思い出のマーニー』と『異人たちとの夏』について、原作 映画作品を取り混ぜて、思いのまま…

異世界へのいざない・・③ 夏・・・異界から

夏の物語 作品のムードが、全く違う『思い出のマーニー』と『異人たちとの夏』を、抱き合わせるようにして書いてみようという試みです。 DVDで『思い出のマーニー』を観たその直後に、『異人たちとの夏』が観たくてたまらなくなり、DVDを手に入れ、こちらも…

異世界へのいざない・・② 『思い出のマーニー』

検索 『異世界へのいざない』と題して、『思い出のマーニー』と『異人たちとの夏』について、思いのままに書いていくことにします。 背中を押してくださった皆さま!!ありがとうございます。 向かうべき着地点があるわけではありませんし、整合性のある物語…

異世界へのいざない・・・お気に入りDVD

またまた連載記事を書き始めそうな予感です。 あくまでも予感です。 発端は娘の住宅で見たDVDです。 『思い出のマーニー』。娘と孫は、先日テレビで放映されたものを見たのだそうです。 4歳の孫にはまだ早いかな? と私は思ったのですが、孫は熱心に見たよう…

犬ものがたり⑧・・・・エピローグ

タロとジロ 『その犬の名を誰も知らない』を再び開きましょう。その犬の名を誰も知らない (ShoPro Books)作者:嘉悦 洋発売日: 2020/02/20メディア: 単行本 1959年1月、北村泰一氏は、第三次南極越冬隊として再び南極へ向かっていました。 地球物理に関する…

犬ものがたり⑦・・・・出航命令

トゥトゥ!! 絵本『やまとゆきはら』を参考にしながら、記事を書き進めましょう。やまとゆきはら―白瀬南極探検隊 (日本傑作絵本シリーズ)作者:関屋 敏隆発売日: 2002/10/15メディア: 単行本 白瀬南極探検隊は、もちろん南極点を目指しておりました。 「トゥ…

犬ものがたり⑥・・・『やまとゆきはら』

手に入れた一冊 ネットで見つけて、どうしても手に入れたくなり、初めてのヤフーオークションを通して手に入れた絵本・・・・それは 『やまとゆきはら』(関屋敏隆作・福音館書店)です。 白瀬南極隊の探検を描いたもの。やまとゆきはら―白瀬南極探検隊 (日本傑作絵…

犬ものがたり⑤・・・・置き去り

狂った歯車 何故犬は置き去りにされたのか? 『その犬の名を誰も知らない』を参考に、その経緯を書き残すことにしましょう。その犬の名を誰も知らない (ShoPro Books)作者:嘉悦 洋発売日: 2020/02/20メディア: 単行本1957年12月・・第一次南極越冬隊は二次隊に…

犬ものがたり④・・・・白瀬南極探検

3冊の本 『その犬の名を誰も知らない』を紹介するブログ記事に触れたとき、すぐに連想したのが『極夜行』であり、もう一つは『熱源』でした。 それぞれに共有する世界があり、私はそれを拾って書き残したくなったのです。 前回は『その犬の名を誰も知らない…

犬ものがたり③・・・そりをひく

芋づる式に思い浮かんだ本 『その犬の名を誰も知らない』・・・・・この本のことを知ったとき、同時に頭に浮かんだのか、『極夜行』です。 何ヵ月も太陽が顔を出さない極夜の世界を、犬と共に探検した角幡唯介氏によるノンフィクションです。 こちらは北極圏…

犬ものがたり②・・・第三の犬

『その犬の名を誰も知らない』の感想文 その犬の名を誰も知らない (ShoPro Books)作者:嘉悦 洋小学館集英社プロダクションAmazon まずはこの本について書きましょう。 本のあらすじやポイントを、的確に伝えるのはなかなか難しいです。 ネットからあらすじを…

13年前・・・春のメロディー

書きたい記事が他にもたくさんあるのですが、「長男のこと」を書いたあと、13年前のことをもうひと記事、残しておきたくなりました。 前回の記事や、2年前にかいた記事と重複する部分が多いのですがご容赦を・・・。 春になると必ず思い出すことですし、この…

はてなブログ・・・「受信」という魅力

自分の日常や、思いを発信するブログ。 私は発信したがり屋さんなのです。 見たもの、読んだもの、感じたことを発信する楽しみにすっかり取り付かれてしまいました。が・・・しかしブログの楽しみは「発信」ばかりではありません。 「受信」という楽しみがあ…

興味の流れのままに⑥

「この頃のばあばのブログはつまんない!」 と娘。 まあ、そうだろうなあ! 娘Aならそんな反応でしょう。「必ず開けてはみるんだけど、『興味のなんたら』っていうのだとガッカリする。」あはは、そうか! そうかもね。 興味を持つって、個人的なことだもの…

興味の流れのままに⑤

連載これまで 興味の流れに添って進んでいたら「秩父事件」にたどりつきました。 それを、これまた自分の興味と学びのために、記事として書き進めております。 歴史の掘り起こし記録である『伝蔵と森蔵』より、 ●井上伝蔵の最期(秩父事件における会計長、欠…

見えているものを見る

ページごとよけました 卒業式が行われた日の午後は、すぐに着替えて消毒作業と片付けを行い、帰宅したらもう疲労困憊でした。 それでも、卒業式で味わった思いの醒めぬうちにと記事を書き上げました。 暖かいメッセージや励ましのスターをたくさんいただき、…

興味の流れのままに④

朝はまだ、氷点下の気温になることもある日々です。 おーー寒む寒む。 でも、鳥のさえずりは「春だよ春だよ」と賑やかです。 朝5時には空が明るみ始め、夕方は明るい西日が景色を照らします。 こちらにも春は近づいておりますよ。 ざっとこれまでを・・・ 秩…

興味の流れのままに③

始めに まず始めにお断り。 前回の記事にリライト部分があります。 伝蔵が、その死に際して、仲間「森蔵」の生存について語ったという箇所です。 伝蔵がその生存について語ったのは、 あくまで、 「仲間の某(なにがし)」 ということでした。 その言葉に対し…

興味の流れのままに②

逃げた人の末路 連載になるであろうこの記事は、秩父事件をめぐるあれこれですので、「秩父事件」に触れないわけにはいきませんが、ここにその経緯やら、歴史的意味などを細かく書こうとは思っておりません。 秩父事件の説明も、「コトバンク」からお借りし…

興味の流れのままに①

伝蔵と森蔵 「伝蔵」「森蔵」・・・この2つの名前を聞いたたけで、 「ああ、秩父事件の・・・」 と思う方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?そういう私は、この名前からピンとくるものなど全く持ち合わせておりませんでした。 さらに、「秩父事件」に関わっ…

黄ばんだ本を読んでいます

われわれが侵入者なんだ あるとき、湧別川の鮭をとって、巡査に追われたアイヌを、父は自宅にかくまい、巡査に言いました。 『われわれが侵入者なんだ。アイヌ人が先に土着してたんだから。アイヌはかわいそうなんた。サケ、マスしか食っていないんだ。それ…

こういう喜びは・・・・

出窓にたまった新聞 冬休み、あれもしようこれもしようと思っていたものの、やり残しを放置したまま勤務再開となりました。 仕事が始まると新聞もまめに読めなくなります。‘’忙しい‘’というのは理由にはなりません。 帰宅して夕食をとると、私の電源がOFFに…

かわいい冬芽

何回も借りたこの本 ふゆめ がっしょうだん (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)作者:長 新太出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 1990/01/31メディア: 単行本『ふゆめがっしょうだん』またまた借りて参りました。 学級の子どもたちに見せてやりたくなっ…

2年前の私から

一昨日は、ご近所さん5軒の夫婦が集まっての新年会でした。 ご近所さんなのに・・1月も末になるのに・・ 「今年もよろしく。」 の挨拶をする人もいました。 それもひとえに、今季の雪の少なさのせいです。 除雪で外に出ることがなくて、顔を合わす機会もな…

直木賞受賞!!『熱源』

先程、直木賞受賞作品が発表されました。 テレビの音声が『熱源』と伝え、私は「おおお!!」と声を挙げ、画面に駆け寄りました。 『熱源』・・・・昨年晩秋に読み終えた作品です。 夢中になって読み進めたわけではありません。 しかし、放り投げることなく…

納戸に入れなかった本

アイヌ民族ネタなれど アイヌ民族ネタなれど、「納戸」(関連する記事をまとめて放り込んでおく、部屋=カテゴリ)に収納しなかった本をご紹介。 kyokoippoppo.hatenablog.com冥途のお客 夢か現か、現か夢か作者:佐藤 愛子光文社Amazon私の遺言 (新潮文庫)作…

おお!バフンケ!‥新聞切り抜き

なかなか読み終わらない 寝室に置いて、寝る前にちょびちょび読み進めている本があります。熱源作者:川越 宗一文藝春秋Amazon決して読みにくい本ではないのですが、 さくさくとは読み進まず。いつまでも寝床にあるこの本を取りあげては、少しずつ進行する物…

「命」や「死」について・・・①

『人魚の眠る家』 東野圭吾の『人魚の眠る家』 を読みました。人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)作者:東野 圭吾幻冬舎Amazon大変に重いテーマながら、興味深いストーリー展開でぐいぐい引っ張られてゆくので、”面白い読み物”として読むことができました。「面白かっ…

『だれかがドアをノックする』・・我が子に薦めた本

トッド 久しぶりに本を話題にします。 いっとき続けて公開した記事の続編です。 我が書棚にある本。 私が我が子に薦めた本の紹介・・・なのですが、この本が何としても書棚から見つからず。 図書館で調達しました。 このたび話題にする本は 『だれかがドアをノ…

血縁とは?家族とは?・・・我が子に薦めた本『祈祷師の娘』

美しい装丁に惹かれて 今回ご紹介するのは、『祈祷師の娘』祈祷師の娘 (福音館創作童話シリーズ)作者: 中脇初枝,卯月みゆき出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 2004/09/30メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (12件) を見る美しい装丁に惹…